研究課題/領域番号 |
19K03318
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
春日 由美 山口大学, 教育学部, 教授 (80525585)
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研究分担者 |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
田中 理絵 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (80335778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マルトリートメント / 虐待傾向 / 母親 / 乳幼児期 / 育児 / 女性 / テキストマイニング / 育児期女性 / 育児困難感 / 育児不安 / ハイリスク / エスノグラフィー / 事例的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
現在どの母親も虐待の加害者となる可能性があることが指摘されている。虐待傾向と母親の様々な要因との関連を示唆する研究も多くあるが、専門家は虐待発生の特定の要因を追求することは不毛であり、親子や、それを取り巻く家族、地域共同体等の様々な要因が互いに影響し合うと指摘する。つまり母親の要因だけでなく、取り巻く環境を含め、個別に検討する必要がある。 そこで本研究では母親を対象に、生活状況、生育歴、心理的側面や子どもの要因、夫や家族、地域との関係等についてインタビュー調査を行い、どのような個人要因や環境要因が重なる母親が虐待傾向に陥りやすいかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では乳幼児を育児中の女性の虐待傾向の背景について検討した。インタビュー調査と文献研究を行い、以下のような成果が得られた。(1)「育児困難感」は母親自身が困っている子どもへの感情であり、「育児不安」は育児における漠然とした不安で、母親自身の不安と考えられた。(2)虐待傾向にある母親の怒りの契機には、時間的余裕の無さ、子どもができるのにやらないという思いがあり、母親の特徴として、他者に悩んでいることを正直に言えない、よい育児の理想があると考えられた。(3)虐待傾向にある母親は人間関係を重視したり、日常的に不快な感情を抱えていたり、長子に対して葛藤を抱えている可能性があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義や社会的意義として、(1)「育児困難」と「育児不安」は別のものであり、支援者が分けて捉えなければ支援を誤る可能性があることなど今後の研究や実際の育児支援における支援の視点を示したこと、(2)虐待傾向のある母親の特徴について複数の視点を示したこと(子どもができると思い込んでいる、良い子育てをしなければと思い込んでいる、人間関係を重視している等)、(3)虐待傾向にない母親の特徴について複数の視点を示したこと(自分中心の考え方をしている等)、(4)ハイリスクな事例での虐待を防ぐ要因についての視点を示したこと(母親自身の援助要請力、支援者による一歩踏み込んだ支援等)等が挙げられる。
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