研究課題/領域番号 |
19K03320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富岡 光直 九州大学, 医学研究院, 助教 (50380514)
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研究分担者 |
吉原 一文 九州大学, 医学研究院, 講師 (20444854)
須藤 信行 九州大学, 医学研究院, 教授 (60304812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | sleep / autogenic training / autonomic function / 自律訓練法 / 不眠症 / 自律神経機能 / 中途覚醒 / 24時間ホルター心電図 |
研究開始時の研究の概要 |
自律訓練法(AT)は『睡眠障害の対応と治療ガイドライン』(第2版)において非薬物療法として取り上げられている心理療法である。段階的に自己暗示をくり返し,リラックスした状態を自ら作り出し,心身の緊張を解くことで睡眠を促す。このように不眠症状に有効であると紹介されているものの,その効果発現メカニズムを生理学的側面から実証した研究は殆どない。自律神経機能は,日中と夜間で異なり,睡眠中も前半と後半で大きくその様相を異にすることが知られている。そこで本研究では,ATが夜間の自律神経活動をどのように変容させ睡眠を促すのかを,24時間ホルター心電図を用いて解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
健常な医学部学生から24時間ホルター心電図を得た。分析の結果,交感神経機能(LF/HF比)は睡眠中(2.01)に比べ,覚醒中(6.46)の方が高値であることが示された。副交感神経活動(HF)は睡眠中(538)に比べ,覚醒中(213)の方が低値であることが示された。睡眠中の交感神経活動(LF/HF比)の推移から入眠時から値が低下し,起床時に向かって徐々に値が高まっていることが分かった。これに対し副交感神経活動(HF)の値は入眠時から値が上昇し,起床時に向かって値が低下していた。結果から入眠から時間の経過と共に身体的なリラックス度は高まっていくが,起床時刻に向けて徐々に活動性が高まった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は入眠から時間の経過と共に身体的なリラックス度は高まっていくが,起床時刻に向けて徐々に活動性が高まることを示した。今後の研究では,同様の被検者を増やすことで24時間の自律神経機能の一般的な推移傾向を示すことができると考えられる。更に不眠症患者のデータを加えることにより,不眠症患者の入眠困難や睡眠持続困難症状に対する自律神経機能の影響を明らかにすることができると考えられる。入眠時や睡眠後半に交感神経の興奮が示されたとすれば,それを安定化することに効果的と考えられる自律訓練法の効果研究の意義が高まるであろう。
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