研究課題/領域番号 |
19K03351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東洋英和女学院大学 |
研究代表者 |
秋本 倫子 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 准教授 (70410157)
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研究分担者 |
石原 宏 島根大学, 学術研究院人間科学系, 准教授 (40378500)
星 詳子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任教授 (50332383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 箱庭療法 / 近赤外分光法 / ハイパースキャニング / 脳活動 / 前頭葉 / 関係性 / 共感 / NIRS / 混合研究法 / 脳計測 / 社会的相互作用 / 共創 / 相互作用 / 神経科学 / 視線解析 |
研究開始時の研究の概要 |
心理療法の1つである箱庭療法においては、セラピストによる「共感的理解」、箱庭を制作するクライエントとそれを黙って見守るセラピストの「関係性」が重要とされている。本研究では、箱庭療法を実験的に再現し、NIRS(近赤外分光法)という簡便な脳計測装置を用いて、クライエントとセラピストの前頭前野の脳活動を計測し、二者間での非言語的コミュニケーション、さらには言語的コミュニケーションにおける共感のあり方を探ると共に、大学生のための「共感」のトレーニングに応用する。さらに、 認知症がある方を対象に、前頭葉の活動と視線解析を同時計測し、 認知症者における箱庭療法やケアの可能性を模索する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、箱庭療法において、箱庭制作をするクライエントがどのように視線を移動させるか、6名の健康な大学生を対象に、メガネ式視線計測装置を用いて視線計測実験を行った。実験は3段階に分かれており、第1段階は10分間の自由制作、第2段階は、実験者が指定するミニチュアを指定する順序で砂箱に置く、指示による制作、第3段階は、クライエント役は3分間、自由に制作するが、自分が何を考えてどのように行動するかを口頭で話しながら制作した。各段階の後に、実験者からのインタビューを行い、どのようなことを考えていたかを話してもらった。データは現在、解析途中である。 研究機関全体を通じては、携帯型ワイアレスNIRS装置を用いて、箱庭セッション中のクライエントとセラピストの前頭葉2カ所を同時計測し、ビデオ記録した行動と脳活動データを合わせて詳細に検討する混合研究法的研究を行い、学会発表を行うと共に、1例の詳細な分析をJournal of Sandplay Therapy誌に投稿、掲載された。前頭葉のうち、外側前頭葉のチャンネルと、前頭極(+内側前頭葉)の2カ所を計測した場合、それぞれが、箱庭制作やインタビューで異なる機能を果たしていることがわかった。また、箱庭制作のプロセスと二者の脳活動の同期の関係を分析し、臨床的に重要と判断された部分と強く同期する部分がある程度は重なっていること、しかし、それ以外の部分でも同期が見られることがわかった。 NIRSにより脳活動を計測する際に、クライエントとセラピストの視線の方向が一致することが脳同期に関係する可能性が示唆された。両者の視線移動を計測し、さらに脳活動の計測結果と合わせて分析することが望まれるが、今回の研究期間では、そこまでは実現できなかった。
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