研究課題/領域番号 |
19K03429
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
青木 宏樹 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (10333189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 保型形式 / ヤコビ形式 / 無限積 / 整数論 / モジュラー群 / ジーゲル保型形式 / 保形形式 / ジーゲル保形形式 |
研究開始時の研究の概要 |
保型形式とは、ある種の変換規則(保型性)を満たす関数であり、数学において極めて重要な研究対象となっている。その研究は、Gauss, Jacobi, Weierstrass といった大数学者の仕事(19世紀)を出発点に、数学全般のみならず物理学や情報数学になどとも関連性を持ちながら大いに発展してきた。特に多変数の保型形式は研究が難しく、現在でも整数論や幾何学において重要な研究対象であり続けている。 本研究は、最近特に進展が顕著な、ヤコビ形式を用いるさまざまな手段によって、多変数の保型形式を明示的・構成的に調べ、多変数の保型形式に対して今まで以上の知見を得ることを目標としている。
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研究実績の概要 |
今年度は本研究課題の4年目である。本来は今年度が最終年度であったが、コロナ禍の影響により研究活動が停滞していたため、研究期間を1年延長することを今年度の早い段階で想定し、5年間のなかでの4年目という位置づけで、研究活動を行った。 令和2年度、令和3年度はコロナの影響が大きく、研究集会の相次ぐキャンセルや大学での各種業務の増大などの影響で研究のスピードはかなり落ちてしまっていたが、今年度の特に後半に入ってからは、対面での研究活動が徐々に再開されはじめ、研究のスピードがようやくあがりだしたと感じている。実際、今年度は2つの国際研究集会で主催者の一員となったほか、外国人研究者を招聘しての研究討論も再開でき、トータルではかなり有意義な研究を行うことができたと考えている。しかしながら、大学での各種業務は依然コロナの影響が残っている部分などがあり、研究活動の完全な復調までにはもう少し時間が必要であるとも感じている。 さて、今年度の研究実績としてはは、昨年度までに行った研究が論文として出版されたことが第一に挙げられる。また、一般向けの論説を執筆するなど、研究成果の広報にあたる活動も行った。もっとも、研究においては、課題を見つけてから論文として公表されるまでに、論点整理、議論、論文執筆、査読と多くのプロセスがあり、今年度になってスピードがあがったと実感している研究活動も、その成果が実績として具現化されるには、もう少し時間が必要である。1年延長した研究機関を有効に使って、令和5年度にはより一層研究活動を進展させたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目の報告では「(1)当初の計画以上に進展している。」としていたが、その後はコロナ禍に巻き込まれ、2年目には「(2)おおむね順調に進展している。」状態となり、3年目には「(3)やや遅れている。」とさらに後退してしまっていた。今年度になってコロナによる影響が一段落し、研究活動も徐々に再開できているため、「コロナの影響があったことに配慮すれば、相対的に」という前提のもとで、今年度までの研究の進捗状況は、「(2)おおむね順調に進展している。」に戻ったと考えている。 1年目で得ることができ研究成果は、その後(数学的内容ではなくコロナによる時間的および物理的な意味で)かなりの障壁があったものの、今年度、ようやく論文としての出版にまでこぎつけた。また、対面で直接会って行う研究活動の制限が緩和されたことは大きく、今年度は、本研究課題のなかでも今後の研究の進展が期待できるテーマについて、他の研究者に会って直接議論することができた。これは研究上かなり有意義であったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要と現在までの進捗状況で述べたとおり、コロナにより大きな影響を受けていた研究活動は徐々に再開されてきており、実際、今年度は、本研究課題のなかでも今後の研究の進展が期待できるテーマについて、他の研究者に会って直接議論することができた。いよいよ来年度は延長された最終年度であり、なんとか来年度中にある程度まとまった成果を得たいと考えている。そのために、対面での研究討論の機会を増やすなどして、よりいっそうの研究のスピードアップをはかっていきたい。
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