研究課題/領域番号 |
19K03446
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
今野 一宏 関西大学, 総合情報学部, 教授 (10186869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 一般型代数曲面 / 標準写像 / 正規特異点 / 正規曲面 / 特異点 |
研究開始時の研究の概要 |
正規標準曲面の構造研究を行う.まず重要性を顧みて幾何種数が4である場合に注力する.射影平面の分岐被覆の特異点を解消することによって,正規標準曲面の具体例を構成する.併せて,標準曲面の標準変換から誘導される3次元射影空間の自己双有理変換を考察する.また,平面曲線束に対するスロープ不等式や2次元特異点論を援用して,7次以上の正規標準曲面が存在しないことの証明に迫る.幾何種数が5以上の場合には,考察の対象を幾何種数の3倍マイナス6が次数の曲面に限定する.標準像の2次包を通じて曲面に誘導される代数曲線束に現れる特異ファイバーを完全に記述する.また,標準因子の自己交点数の上限を確立する.
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研究成果の概要 |
標準写像が像の上に双有理となるような極小一般型代数曲面を標準曲面という.幾何種数4の標準曲面は有名なエンリケスの本が世に出てからも長い研究史があるが,研究代表者の研究以前には標準像が正規曲面であるものはほぼ自明な5次の場合しか認識されていなかった.本研究では6次正規標準曲面の具体的な構成法を探るものである.有理曲面の2重被覆で構成した曲面を具体的な方程式を変形して構成する方法が最も有効である.しかし正規かつ標準であるという2条件が満たされていることを証明することが困難であることから,得られた曲面がvolumeが10と11という未知の場合を解決するものか否か明らかにできなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
期待される最終的な結論は得られなかったものの,一般型2次元正規特異点の数値的な不変量による分類や2重被覆で構成した曲面,とくに超楕円的な曲線束をもつ曲面の変形については新たな知見が得られた.また,幾何種数が大きい場合の正規標準曲面の研究により,種数3の非超楕円的ファイバー芽についての認識がいっそう深くなった.本研究を通じて,幾何種数4の場合には,次数が7以上の正規標準曲面は存在しないという予想に至った.こういった未解決問題の提示は,当該分野の研究進展にひとつの道筋を示すものである.
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