研究成果の概要 |
ハーディー関数の導関数の二乗平均について, 1999 年の Hall による研究の中で, 誤差項の改良が示唆されたが, それを谷川好男氏との共著論文で示した. また, 二重ゼータ関数の評価や二乗平均について, D. Banerjee 氏, 谷川好男氏と改良を得て, 論文で発表した. Joshi-Vaidya による自然数 n の約数のうち, 素数 p と互いに素であるものの最大数についての一乗平均の誤差項の研究を, 中野実優氏, 古屋淳氏と二乗平均の場合に一般化し, 論文発表した. 素数 p という条件を square-free にしたものについて, 井川祥彰氏, 中野実優氏と論文発表した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
およそ20年, 多重ゼータ関数の研究は日本を中心として発展し続けている. この様な状況において, 当初予定になかった, 二重ゼータ関数の評価や二乗平均について, 知られている結果の改良を得られたことは学術的にも社会的にも意義があったと思う. また, Hall のハーディー関数の微分の二乗平均の結果を改良できたことは, リーマンゼータ関数の理論に寄与したと思う. 他に, インドで盛んに研究されていたある種の約数関数についての研究について, 今回, 二乗平均に関する結果が得られたことは意義があると思う.
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