研究課題/領域番号 |
19K03454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
瀧 真語 東海大学, 理学部, 准教授 (30609714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | K3曲面 / 自己同型 / 非純 / 非シンプレクティック / 有理曲面 / 商特異点 / 特異点 / モジュライ空間 |
研究開始時の研究の概要 |
主にK3曲面や(対数的)有理曲面が研究対象である.K3曲面上の非シンプレクティックな対称性の分類や,K3曲面の商曲面として得られる有理曲面の特異性や対称性に関する考察を行う. 幾何的対象を考察する際,それが持つ対称性に注目することで新たな世界が見えてくることがある.例えば,一般の三角形に対称性は無いが,二等辺三角形や正三角形のような特殊な三角形は「左右対称」や「120度の回転」など特別な対称性を持つ.二等辺三角形や正三角形の特殊性はこのような対称性の存在によって特徴付けられているとも言える. 本研究ではこのような視点の下,対称性を通して上記の代数多様体を調べる.
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研究実績の概要 |
至る所消えない正則2形式を持ち,不正則数が零であるようなコンパクト複素曲面はK3曲面と呼ばれる.K3曲面の対称性を表す自己同型は,至る所消えない正則2形式に自明に作用するか否かでシンプレクティックまたは非シンプレクティックと呼ばれる.特に位数mの自己同型が至る所消えない正則2形式に1の原始m乗根倍で作用する場合,純(pure)非シンプレクティックと言う.シンプレクティック自己同型および純非シンプレクティック自己同型は「おおよそ」分かっているという状況であるが,純ではない非シンプレクティック自己同型の考察は前年度に本研究課題で得られた位数6の結果程度しか組織だった研究結果は出ていない. 当該年度に実施した研究は主に「純ではない奇数位数の非シンプレクティック自己同型の考察」である.K3曲面上の有限自己同型のうち,純ではない非シンプレクティック自己同型が奇数位数であれば,それは15か21であることを示した.言い換えれば位数9, 25, 27, 33の場合は純な非シンプレクティック自己同型にしかなり得ないことがわかった.また,自己同型の研究ではその固定点集合が重要な役割を果たすが,位数9の場合は1,4または6個の孤立点からなり,位数21の場合は6個の孤立点からなる.これらの点への自己同型の局所的な作用(商曲面にどのような特異点が現れるか)も決定した.存在に関しては具体例を構成することによって示した.これは論文形式にし,現在投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響で情報交換の場がなかなか設けられていない.だがこれは22年度後半からはだいぶ改善されてきた.
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今後の研究の推進方策 |
代数的なK3曲面が「特別な点」を持つ時,その影響によって自己同型が作用するが,それに関して調べる予定である.また偶数位数の純ではない偶数位数の非シンプレクティック自己同型を調べることも一つの課題である.
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