研究課題/領域番号 |
19K03477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
佐藤 隆夫 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 教授 (70533256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 自由群の自己同型群 / 群のコホモロジー / ジョンソン準同型 / ねじれ係数コホモロジー / Outer space / IA自己同型群 / 非安定コホモロジー / Johnson準同型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の究極的な目的は,非安定域を中心とする自由群の自己同型群のねじれ係数有理コホモロジー群の構造を明らかにし,非自明コホモロジー類の代数的ないしは幾何学的意味づけを与えることである.非安定コホモロジーの研究は,森田茂之,Conant, Hatcher, Kassabov, Vogtmannらによる注目すべき結果が知られているが,完全な構造を決定するには遠く及んでいない.本研究では,特に,ねじれ係数非安定(コ)ホモロジー群の構造を明らかにするとともに,非自明なコホモロジー群を与える係数や次元に関する条件の特徴づけを目指したいと考えている.
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研究成果の概要 |
本研究では,特に非安定域に焦点を置いて自由群の自己同型群のねじれ係数コホモロジーに関する研究を行った.主に得られた結果としては,階数が3の場合に自由群のアーベル化の外部積を係数とするねじれ係数コホモロジー群を計算し,2次元コホモロジー群において安定期の場合と比べてある種の退化が起こっていることが分かった.また,自由群の自己同型群を,自由群のverbal部分群のアーベル化に作用させた場合のコホモロジー群の計算を行った.先行研究などから,1次元のコホモロジーには2つの一次独立な森田コサイクルが存在するが,特に自由群の階数が2の場合にはこれら以外にも一次独立なコサイクルが存在することが確かめられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この半世紀の間に自由群の自己同型群のホモロジーに関する研究は急速に進展を遂げており,安定域に関しては自由群のアーベル化を経由するようなねじれ係数ホモロジーの計算方法が確立されている.一方で,非安定域のねじれ係数ホモロジー群の構造については体系的な研究手法は未だ確立しておらず,具体的な計算結果を蓄積してその振る舞いを調べていくしかないのが現状である.本研究において,自由群の階数が3の場合の計算結果や,自由群のアーベル化を経由しないような係数のホモロジー群についていくつかの新しい結果が得られたことは一定の学術的意義があると考えている.
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