研究課題/領域番号 |
19K03478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田中 真紀子 東京理科大学, 理工学部数学科, 教授 (20255623)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 対蹠集合 / コンパクト対称空間 / 非連結リー群 / 極地 / コンパクトLie群 / 対称空間 / リー群 |
研究開始時の研究の概要 |
コンパクト対称空間の対蹠集合がコンパクト対称空間のどのような幾何構造を反映しているのかについて研究する。まず極大対蹠集合を分類し、その分類結果を利用して対蹠集合の構造や性質を解明する。そのため本研究課題の研究目的の一つは、コンパクト対称空間の極大対蹠集合の合同類の分類を完成させることである。方針は、対称空間をリー群に然るべく埋め込み、リー群の極大対蹠部分群の分類を利用する。もう一つは、得られた分類結果を応用して対蹠集合の性質や構造を解明することである。モース関数との関連を見ることに取り組み、位相幾何学や有限幾何学、有限群論、組み合わせ論への応用も視野に入れて広い意味での幾何学の研究に取り組む。
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研究実績の概要 |
田崎博之と共同で、連結コンパクト Lie群の極地としては実現できない連結コンパクト対称空間およびその商空間の極大対蹠集合の合同類の分類を行い、極大対蹠集合の位数を求め、その最大値の決定と、最大値をとる極大対蹠集合(大対蹠集合)の決定を行った。これらの連結コンパクト対称空間 M の対称対 (G, K) を定める連結コンパクト Lie群 G の対合的自己同型写像σに対して、G と、σが生成する G の自己同型群の部分群 <σ> との半直積(これは非連結コンパクト Lie群)の極地として M を実現することで、これまで用いていた分類手法を適用することが可能になった。その分類手法を適用するために必要となるため、G と <σ> との半直積であるコンパクト Lie群およびその商群の極大対蹠部分群の共役類の分類についても行った。一部の連結コンパクト対称空間については、2023年度に継続して極大対蹠集合の分類などを行い、結果を論文としてまとめて学術雑誌に投稿する。 コンパクト対称空間の極大対蹠集合の分類は、本研究課題の目的の一つであり、古典型コンパクト対称空間 M を古典がコンパクト Lie群の極地として実現することにより、M の極大対蹠集合の行列を用いた具体的表示が得られ、その位数を求めることも可能になる。極大対蹠集合の位数の最大値の決定については、Chen-Nagano の結果の別証明を与えるものである。 得られた研究成果についての研究発表をいくつかの研究集会で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
連結コンパクト対称空間およびその商空間の極大対蹠集合の合同類の分類において、得られた結果について既知の結果と矛盾する箇所が見つかったため、証明の見直しに時間を要し、本研究課題の進捗にやや遅れが生じたが、証明の修正については完了した。
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今後の研究の推進方策 |
得られた成果を論文にまとめて学術雑誌に投稿する一方で、これまでに得られた極大対蹠集合の分類結果を分析し、極大対蹠集合とコンパクト対称空間の位相的性質などとの関係についての考察を進める。
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