研究課題/領域番号 |
19K03485
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加藤 久男 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (70152733)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カオス力学系 / 位相次元 / 埋蔵定理 / 位相力学系 / 幾何学的トポロジー / カオス / Takensの埋込み定理 / 位相エントロピー / フラクタル / 連続体 / 記号力学系 / エントロピー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、コンパクト距離空間とその上の連続写像という非常に一般的な研究対象を、幾何学的トポロジー(特に、連続体論)、位相空間論、力学系理論およびエルゴート論を駆使して総合的に研究する。位相力学系、連続体論および位相空間論の方法論を融合して、可分距離空間上の力学系の原理的な構造の解明に役立てたい。特に位相空間論からの研究という基本原理に立ち返った研究方法は、本研究の大きな特色でもある。また本研究では幾何学的トポロジーの見地からも、特に連続体論から力学系のカオスを研究していく。こうした力学的構造と幾何構造を理論的かつ統一的に解明できることは本研究の大きなメリットと考えている。
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研究実績の概要 |
データ解析、時系列解析から滑らかな力学系を再構成できるという有名な多様体上のTakensの埋込み定理が知られている(さらに一般化した Sauer, Yorke, Casdagli の Embedologyなど)。研究代表者は2023年の研究で、”滑らかさを仮定しない一般的な空間と連続写像”にまで Takensの定理が拡張できることを証明した。つまり、 Takens の埋め込み定理は「topology category における再構成定理」まで拡張できる。Takens の定理は、実験データから数学モデルの再構成可能を保証する実験科学における貴重な定理であるが、多様体上の滑らかな力学系(可逆的な)に限られていた。Takens による証明は微分幾何学の方法論で証明された。Takens は (Whitney の)ユークリッド空間への埋め込み定理を基本的に使用した。研究代表者の証明では、位相空間論、特に次元論が大きな力を発揮している。我々の定理は、ユークリッド空間への埋め込み定理をも導く、より根源的な方法(位相空間論・次元論)を採用することで初めて証明された(Takens-type reconstruction theorems of one-sided dynamical systems, Nonlinearity, 36 (2023), 1571-1592))。研究期間を通じて有限次元力学系の情報空間への埋め込みに関し研究を行った。得られた定理は、 Jaworski-type embedding theorems of one-sided dynamical systems, Fund. Math. 253 (2021)にまとめられている。最近、これらの定理を使用して”華厳経の釈迦の悟り”を数学的に証明した。
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