研究課題/領域番号 |
19K03514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
竹居 正登 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60460789)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パーコレーション / ランダムウォーク / 高木関数 / 極限定理 / 至る所微分不可能な連続関数 / 格子確率モデル |
研究開始時の研究の概要 |
グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」では道しるべとしてパンくずを落として歩いたが,それを鳥が……ついばまなかったらどうなっただろうか? 本研究計画は,このような『自己の軌跡が推移確率に影響を与えるランダムウォーク』の挙動を数学的に解析することを目的とする.過去の行動がどの程度影響を与えるかによってウォーカーの長時間挙動に大きな違いが生じる点に特徴があるが,これをスポンジのような多孔質媒質への流体の浸透における相転移現象との関連性を重視しながら調べてゆく.
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研究成果の概要 |
パーコレーション問題は,スポンジのような多孔質の物体への流体の浸透現象の模型として研究が始められ,現在ではランダムな図形の解析・研究において最も基本的な確率モデルと位置づけられている.このモデルの研究を深めるとともに,それを通じて得られた経験を生かして,ランダムウォーカーの軌跡の特徴とその極限挙動に及ぼす影響を精密な極限定理によって記述し定量化することを目的として研究を推進した.ファーストパッセージパーコレーション問題,過去の履歴から影響を受けるランダムウォーク等について精密な極限定理を得ることができた.この研究の応用として,至るところ微分不可能な連続関数の性質を記述する極限定理も得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
空間構造をもった確率モデルは,物理・化学・生物現象の研究においてのみならず,人々の意見が合意に達するか否かといった社会現象の研究等においても重要な役割を果たしており,多様な現象のモデル構築と解析を可能にすることが求められている.本研究では,浸透現象の数学的解析における様々な着想を基盤とし,記憶があり学習しながら歩むランダムウォーク等に関する成果を得て,この方面の研究に一定の寄与をした.また,本研究で得られた知見の副産物として,至るところ微分不可能な連続関数の性質を記述する極限定理が得られており,数学の中での周辺分野にも貢献することができた.
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