研究課題/領域番号 |
19K03545
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
伊藤 宏 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90243005)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シュレーディンガー作用素 / ディラック作用素 / スペクトル / 散乱理論 / レゾナンス / 逆散乱問題 / 波動方程式 / 固有値 |
研究開始時の研究の概要 |
相対論的量子力学における重要なハミルトニアンであるディラック作用素は,遠方で発散するポテンシャルをもつ場合には(ある種の解析的な性質を仮定すれば)レゾナンスという複素固有値を持つことが知られている.レゾナンスの複素平面での分布は数理物理学の重要な研究対象である.今までの研究から,レゾナンスが存在する領域は大きく分けて3つの領域からなり,各領域での分布は異なっているのではないかという予想を研究代表者は持った.この研究は,各領域でのレゾナンスの分布を得ることで,レゾナンスが生成される仕組みを解明することを目標とする.
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研究成果の概要 |
遠方で発散するポテンシャルをもつディラック作用素のレゾナンス非存在領域を見出した.次にシュレーディンガー作用素のレゾルベントの解析を行った.次の内容である.エネルギーに依存する複素電場ポテンシャルおよび磁場ポテンシャルをもつシュレーディンガー方程式を考える.これは,摩擦項を含む波動方程式の定常問題の方程式と考えることもできる.ポテンシャルには適当な滑らかさおよび遠方での減衰を仮定すると,散乱振幅が定義される.散乱振幅に関して次の結果が得られた. (1)散乱振幅の高エネルギーでの挙動から電場および磁場を再構成できる. (2)散乱振幅の高エネルギーでの漸近展開を得ることができる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ディラック方程式,シュレーディンガー方程式や波動方程式は各々量子力学および波動現象において重要な方程式であり,物理学や工学においても多くの研究がされている.ディラック作用素のレゾナンスの解析は,ディラック作用素の構造とも関係し,その作用素の研究の発展につながる.シュレーディンガー方程式や波動方程式の散乱振幅からもとのポテンシャルを再構成する逆散乱問題の研究は,散乱振幅がどのような情報を含んでいるかという学術的に興味深い内容であるのみならず,工学における非破壊検査などとも関係し,応用上重要である.
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