研究課題/領域番号 |
19K03552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
上村 稔大 関西大学, システム理工学部, 教授 (30285332)
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研究分担者 |
富崎 松代 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (50093977)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Dirichlet 形式 / Hardy 不等式 / Homogenization / 対称安定過程 / 対称ジャンプ拡散過程 / 2-scale 収束 / 均質化問題 / Mosco収束 / 飛躍型マルコフ過程 / 均質化法 / Mosco 収束 / Dirichlet 形式気 / ジャンプ拡散過程 / 特異な Levy 測度 / 退化する Levy 測度 / Markov 過程 / 加法汎関数 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,Dirichlet 形式に付随する Markov 過程から駆動される加法汎関数の収束とその安定性を Dirichlet 形式の収束論を通して研究することである.特に,変分不等式論の研究に際して用いられる様々な収束の概念(Gamma-収束,H-収束,G-収束及びMosco 収束等)について,Markov 過程の汎関数の系列の収束性及び加法汎関数の経路の性質の安定性について適用可能かどうかを検討し,偏微分方程式に対応する拡散過程に止まらず,飛躍を持つ Markov 過程に対する均質化問題への接近を試みる,
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研究実績の概要 |
過渡的で,既約な対称Markov過程で,強Feller性をもつものを考える.このMarkov過程に対応するDirichlet形式を,加藤クラスに属する滑らかの測度により変換した半正定値形式として定義されるシュレーディンガー形式を考えた.このシュレーディンガー形式が正定値となる条件,および対応する拡張されたDirichlet空間の特徴づけを,もとのMarkov過程の臨界性の条件を通して得ることが出来た.その副産物として,指数αをもつ対称安定過程の時間変更過程として,特異な関数によるh-変換過程に対応するDirichlet形式が臨界的となるための条件を得ることが出来た.さらには,シュレーディンガー形式に対するHardy 不等式が成り立つ際の係数の最適性も確認することが出来た.これまでは,偏微分方程式や,その基本解の詳しい性質を確認することにより導出されていたものを,Dirichlet形式の変換論の一般論として確認することが出来た.なお,この結果は,竹田氏との共同研究として,学術雑誌「Transaction of the American Mathematical Society」376巻(2022)において発表した. 一方,2階の楕円型偏微分作用素に,ドリフト項と呼ばれる1階の偏微分作用素や,ポテンシャル項と呼ばれる掛け算作用素を付加したときの均質化問題も考えた.特に,展開法(Unfolding method)と呼ばれる手法を用いることで,係数に必ずしも周期性を仮定することなしに均質化問題を解くことが出来ることが最近判明した. 一部,タイで開催された(zoomによる)研究会で発表を行った.現在,論文としてまとめているところである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「マルコフ過程の経路の安定性」については, 概要においてものべたが,均質化問題の観点において,展開法(Unfolding method)と呼ばれる手法を用いて,マルコフ過程の推移半群そのものの強収束が得られることが判明した.このことは特質すべき事実である.これまでは2-scale収束法を用いて同様の結果を導いていた.この手法では,拡散係数や飛躍係数に対して周期性の仮定をおく必要があるだけではなく,係数に連続性の条件をもおく必要があった.それに対して,展開法では,それらの条件は一定の範囲において外せることから,研究は順調に進展はしている.一方,その結果を論文としてまとめるところまで行っていない点が,「計画以上に進展している」と評価できない理由となっている.
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今後の研究の推進方策 |
現在,2-scale法に代わって展開法を用いて,経路あるいはマルコフ過程の汎関数の系列の収束及びその安定性について検討をしている.とくに,収束性については概ねまとまりつつあるので,さしあたっては収束性についての結果をまとめることとする.その上で,収束の安定性や,極限のより詳しい同定についても検討を進めていく.一方,マルコフ過程の加法汎関数に対応する滑らかな測度についても,測度の系列に,対応する収束が言えるかどうかについても併せて検討をすすめる予定である.
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