研究課題/領域番号 |
19K03557
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高木 泉 東北大学, 理学研究科, 名誉教授 (40154744)
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研究分担者 |
鈴木 香奈子 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (10451519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 反応拡散系 / パターン形成 / 変数係数偏微分方程式 / 不連続定常解 / 受体-配体模型 / 反応拡散形 / 変数係数微分方程式 / 配体ー受体モデル / 配体-受体モデル / 反応拡散方程式系 / 変数係数 / 受容体―結合基反応 / 反応拡散方程式 / 一次パターンと二次パターン / 空間的非一様性 |
研究開始時の研究の概要 |
生物の発生過程では,ほぼ一様な状態から出発し,様々な形が次々と作られていく.Turing はその機序を拡散性物質の相互作用によって生じる「一様な状態の不安定化」に基づく空間的構造の自発的形成と考えた.本研究は,それを一歩進めて,変数係数の反応拡散系が「所与の空間的非一様性を乗り越えて,新たな空間的構造を構築する」ことを明らかにする.これによって,発生過程の複雑な形態形成の各段階で,反応拡散系の生成する先駆パターンが実際の生物の形づくりを制御していくという Turing によって構想された包括的理論が完成する.
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研究成果の概要 |
Turing は,定数係数の反応拡散系に対し,拡散誘導不安定化(拡散率が異なる二つの化学物質が反応するとき,空間的に一様な状態が不安定化し得ること)により空間的に非一様な構造が自発的に形成されると提唱した.本研究は,そもそもこの原理が適用できない変数係数の反応拡散系においても,系に内在的な安定な定常状態とは別の新しい安定な定常状態が存在することを発生生物学のモデル方程式系に対して証明した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然界に広く見られるパターンが形成される機構を理解する一つが反応拡散系によるモデル化である.この非線型偏微分方程式系の数学解析は,この半世紀のうちに大いに進展して,病状の診断に応用されるまでになっている.しかし,時間とともに複雑さを増していくようなパターン形成に関しては系統的な研究はまだ本格化していない.本研究は,その方向での基礎理論を構築する目的で,係数が空間変数に依存するような簡単な反応拡散系について,定常解の構成方法を開発した.今後の理論の発展の礎となることを期待している.
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