研究課題/領域番号 |
19K03573
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山田 義雄 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (20111825)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 反応拡散方程式 / 非線形拡散方程式 / 自由境界問題 / 解の漸近挙動 / 数理生態学 / 比較定理 / spreading / 正値双安定項 / 比較原理 / 漸近挙動 / 解の形状 / 双安定反応項 / 非線形拡散 |
研究開始時の研究の概要 |
数理生態学においては生物の個体数や生息領域の変化を知ることが重要なテーマである。生息領域の境界は自由境界となり、個体数は反応拡散方程式により記述される。このとき自由境界の動きは Stefan 型の境界条件により決定される場合と非線形拡散方程式に内在する場合の2通りがある。前者の例として、競合する二つの生物種の「縄張り争い」をモデルとする反応拡散方程式に対する二相自由境界問題がある。後者の例として、森林の変遷をモデルとする退化型非線形拡散項を伴う非線形システムがある。本研究において、これらの問題に対して未知関数および自由境界が時間の経過とともに変化する様子を理論的に明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
非線形拡散方程式に対する自由境界問題を研究した.数理生態学に現れる外来種の侵入現象をモデルとして考えると,未知関数は種の個体数密度と生息領域であり,生息領域の境界が自由境界である.密度関数は反応拡散方程式を満たし,自由境界の動きはステファン条件によって支配される.本研究では,二つの正値安定平衡点を持つ,正値双安定な反応項を伴う拡散方程式を考え,高次元空間における自由境界問題の解挙動を詳しく調べた.重要な研究成果として,各安定平衡点に対応する二種類のspreading 現象が起こること,およびそれぞれのケースにおける自由境界の拡大速度や密度関数の漸近的形状について精確な評価を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で取り扱った自由境界問題は,数理生態学における外来種の侵入現象をモデルとしている.ここでは2次元以上の空間における反応拡散方程式の解と自由境界の性質を詳しく調べた.主な研究成果は解挙動の分類,および自由境界や密度関数に関する時間無限大における詳細な漸近評価である.これらの結果は数学的に重要であるのみならず,外来種の侵入現象に適用すれば,外来種の侵入が成功するか否か、また侵入領域の拡大速度はどうか、などの問題について貴重な知見が得られる.
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