研究課題/領域番号 |
19K03576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神保 秀一 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (80201565)
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研究分担者 |
本多 尚文 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00238817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 複雑領域 / スペクトル / 楕円型方程式系 / 弾性体 / 特異変形 / 複雑構造 / 漸近解析 / ラメ作用素 / 非有界領域における熱核 / パターン形成 / 大域構造 |
研究開始時の研究の概要 |
光や物質の波動や振動の現象において, 事象を特徴付ける重要な量が, それが起こる空間や媒質の形状を本質的に反映する. 代表例では吹奏楽器では,空洞の形が励起される音程を決めるファクターとなる. 一方地震が建造物を振動させる際の異なる共鳴の効果や, 亀裂や欠陥の有無の特徴と外部入力からの影響の依存性(非破壊検査)などの解析にも関連する. 日常のこれらの物理現象のほとんどが連続体力学が扱う研究対象であり, 弾性体の方程式や流体の方程式で記述され数学的には偏微分方程式となる. 本研究では解や関連する数学量の精密な特徴付けの公式を与え, 幾何的に変形したときに影響を解析する.
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研究実績の概要 |
1. 小さい穴をもつ2次元領域, 細い欠陥をもつ3次元領域におけるラメの方程式系の固有値問題を考察した. 2次元の円環領域における斉次方程式の解の無限級数形の表現公式を計算した. これはスカラーの楕円型方程式に対するポアソン方程式の解の計算に相当する. また,内径が微小になる極限におけるディリクレエネルギーの漸近公式を計算した. これにより小さい穴をもつ領域におけるラメシステムの固有値問題の各固有値の漸近的公式を, 従来から有用であったスワンソンの方法を用いて得た. さらに3次元の有界領域において固定された閉曲線の管状近傍として得られる集合を領域から取り除いて得られる細い欠損を持つ領域の同様の固有値問題を研究した. 2. 1. 同様の課題を流体のモデル方程式であるストークス系について取り組んだ. まず固有値の摂動公式を研究するための近似固有関数やそのための補正項の精密な計算を実行した. この近似固有関数を用いて1. と同様のスワンソンの方法を適用してまず2次元の領域において小さな穴のある領域での各固有値の摂動公式を計算した. 次に3次元の細いトンネル状の欠損をもつ領域の各固有値の摂動公式を得た. これは流体内に細い棒を差し込んだ際の流れを解析することに相当する. 3. 複数の細い柱状の領域を接合して構成される極端形状をもつ3次元の弾性体の変形や固有振動の方程式の解の構造を研究した. 特に各細い部材の断面が一方向に極端につぶれている場合の極限方程式を解析した.
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