研究課題/領域番号 |
19K03599
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 敏康 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (40193049)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 証明論 / 順序数解析 / 整列性 |
研究開始時の研究の概要 |
整列性というのは、再帰的定義の基本となる原理である。最も簡単なのが自然数の順序だがそれをより大きい順序へ拡張したのが整列順序である。 この整列順序の型が順序数と呼ばれる。順序数解析はこの順序数を通じて、公理系に潜む原理を摘出することをしている。今回の研究は、この順序数解析の道具である順序数そのものに焦点を当てて、それを公理系として捉えて、順序数によりこの公理系を分析する。
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研究実績の概要 |
より強い集合論の証明論的研究を整列性の観点から順序数解析として行なった。 1階論理式を反映する順序数 first order reflecting ordinal 就中 任意と存在が入れ子に順番に4つ現れる論理式を反映する順序数の順序数解析は、その一つ手前の任意と存在が入れ子に順番に3つ現れる論理式を反映する順序数の順序数解析よりも真に困難を伴う。後者の順序数解析はM. Rathjenにより得られているが、その拡張を行なった。さらに任意が集合を走る論理式を反映する順序数の順序数解析は、次の再帰的正則順序数 recursively regular ordinal に対して、存在が一つだけある論理式が絶対的になるような順序数 stable ordinal である。この順序数の順序数解析を両側から行なった。すなわち証明論的順序数の上界を作用素によって統御される証明 operator controlled derivation を通じて与えて、逆に、下界を与えるためにW. Buchholzによるdistinguished classを用いて整列性を示した。さらにstable ordinalの上に任意有限個のrecursively regular ordinals がある集合論、すなわちパラメタの無い存在が一つだけある論理式によって定義されたある集合の部分クラスが集合になるという公理を満たす集合論の順序数解析を行なった。こちらの整列性の証明は論文として発表し、また上界の証明を含む論文は現在、投稿中である。そして任意が一つだけある論理式による集積公理 collection axiomによる集合論の順序数解析をこちらも両側から行なった。 これらの結果をGhent 大学数学科でのmini-courseで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により在宅で研究する時間が増え、また海外への出張ができなかったので研究する時間が確保され、落ち着いて考えることができたので、想定していた程度には研究が進捗した。
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今後の研究の推進方策 |
任意が一つだけある論理式による集積公理 collection axiomによる集合論の順序数解析を両側から行なったが、この経験から任意の1階論理式に対する集積公理による集合論の順序数解析を行う。他方で得られた順序数体系の整列性証明を2階算術において行う。
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