研究課題/領域番号 |
19K03609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 四日市大学 |
研究代表者 |
小川 束 四日市大学, 関孝和数学研究所, 研究員 (90204081)
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研究分担者 |
森本 光生 四日市大学, 関孝和数学研究所, 研究員 (80053677)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 関孝和 / 宅間流 / 岡之只 / 方程式論 / 朱世傑 / 病題 / 近世日本数学史 / 近世日本数学 / 数学史 |
研究開始時の研究の概要 |
関孝和(1642年頃--1708)は江戸初期の数学者(本業は甲府藩のちに幕府の役人)で,高校の日本史の教科書にも「筆算代数などにすぐれた研究成果をあげた」数学者としてその名が挙げられている.実際,関孝和は東アジアにおいて「方程式そのもの」を数学の研究対象とした初めての数学者である.本研究は関の方程式論の解明し,他の数学上の業績と合わせて,関の数学の東アジア数学の伝統における革新性を明らかにしようとするものです.これらの具体的結果を通して江戸時代の数学の本質も明らかにする.
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研究成果の概要 |
関孝和の方程式論の一つ『病題明致之法』を含む研究成果を『関孝和全集』(共編著,岩波書店,2023年10月)として刊行した.残存記述が不十分なため未だ解明できない点も残っているが,これは新資料の発見がない限りこれ以上の理解は難しいと思われる.全集の編纂を通じて改めてその著作を詳細に検討すると,特に『括要算法』,『解伏題之法』,『開法飜変之法』,『方陣之法』に関の数学思想,特に統一的な方法を目指したところに関の革新性があり,またその本質を受け継いだ数学者は生まれなかった点で関の孤峰性を見る事ができる. また宅間流・岡之只の著作の研究を通じて,関流数学の歴史性を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2023度刊行した『関孝和全集』(上野健爾,小川束,小林龍彦,佐藤健一,岩波書店)は新しい関孝和像を提示し,将来の研究への第一歩としての著作類の解読・現代語訳,新資料の発見を含む詳細年表,関係する用語事典,標準的読み下し,膨大な関係資料を収録したものである.関孝和は高等学校の教科書にもその名が出て来るがその実態はほとんど知られていない.本全集によってそれが現段階で得られるかぎりの資料において明らかにされた.また宅間流の研究は関流外の研究を通じて,関流を客観的に理解することを可能にする点で意義がある.
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