研究課題/領域番号 |
19K03640
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
内山 成憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40433172)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 暗号・認証等 / アルゴリズム / 暗号 / 代数学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ポスト量子暗号の代表的なものの一つである多変数多項式暗号が基づく連立代数方程式の求解問題の計算困難性を評価し、さらにこの問題に基づく新しいポスト量子暗号の提案をすることである。本研究は2019年度から2022年度までを想定し、前半の2年間は多変数連立代数方程式の解法の一つであるグレブナー基底計算アルゴリズムについて、その実用的な高速化であるF4アルゴリズムの改良と高速実装に取り組み、後半の2年間は既存の方式で用いられている落とし戸つき一方向性関数の解析を行い、有名なMI暗号やHFE暗号等とは異なる仕掛けに基づく多変数多項式暗号の提案を目指す。
|
研究成果の概要 |
耐量子計算機暗号の代表例である多変数公開鍵暗号の安全性解析及びパラメータ生成としてのいくつかの素数判定法について考察を行った。グレブナー基底計算アルゴリズムの基礎となるブッフバーガーアルゴリズムの高速化手法の一つであるF4の実用的な改良とその高速実装を与えた。多変数公開鍵暗号の安全性評価の国際的コンテストであるFukuoka MQ Challengeで公開されている問題でType II及びIIIに分類される問題に提案法を使用して、37変数の問題に挑戦し世界記録を更新した。また、2次フロベニウステストや強リュカテストと呼ばれる確率的素数判定アルゴリズムとミラー-ラビンテストについて比較を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在広く利用されている公開鍵暗号方式は、素因数分解問題等の計算困難性に基づく。一方、これらの問題は量子計算機を用いて効率的に解かれてしまうことが知られている。実用的な量子計算機が実現し際に、社会に与える影響を軽減するため、現在、量子計算機を用いた攻撃に対して耐性を持つ暗号方式(耐量子計算機暗号、ポスト量子暗号)についての研究や標準化が進められている。本研究ではその代表例の一つである多変数公開鍵暗号の安全性について考察を与えた。これは実用的なパラメータサイズ評価に対する一つの指針を与えるものでもあり、理論的な観点のみならず実用的にも十分意義があると考えられる。
|