研究課題/領域番号 |
19K03642
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 景 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (90465922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 幾何学的データ解析 / 機械学習 / データ埋め込み / 距離変換 / クラスタリング / データ解析 / 曲率 / Wasserstein距離 / グラフ埋め込み / 単語分散表現 / 多様体学習 / 幾何学的統計学 / 距離空間 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はデータが分布する空間(データ空間)の幾何学的特徴量,特に曲率に着目することにより,これまでに無いデータ解析手法を開発する .このアプローチは損失関数等を用いる方法と比べて,幾何学の不変性の観点から自然な統計量を構成することができ,また様々な幾何学的特徴量に関する定理を利用した精度評価が期待される.さらには,開発した手法を,異常気象の検知等を目的とした気象データ解析を始めとする様々な実データへ応用する.多様体学習,位相的データ解析,情報幾何学等の周辺既存テーマの研究者との連携を活かして,理論と応用を本質的に繋ぎながら,かつ多角的に発展していく研究を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,データ空間の距離および曲率に着目し,α,β距離という2種類の距離変換を組み合わせた新しい統計解析手法を提案した.さらに,その手法を,年周期により生じる幾何学的特徴を活かした一般化分散の計算に応用し,降雨量データの新しい異常変動を捉えることに成功した.また,β距離変換の提案時にデータ解析に始めて導入した計量錐の理論を,グラフ埋め込みに応用し,ネットワークデータの階層構造を自動的に抽出する新しい手法を提案した.これらの結果を国際学会および学術論文にて発表した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は,まずその新規性にある.従来のデータ解析は,与えられたデータ間の距離をそのまま用いるか,もしくは次元削減等により得られた特徴ベクトル間の距離を用いることがほとんどであったが,本研究では,データやそれが分布する空間の距離をうまく変換した上でデータ解析を行うという点が大きく異なる.これにより,曲率等の幾何学的な特徴量に着目したデータ解析手法の開発および改良が可能となった.また,これまで用いられたことがなかった計量錐をデータ解析に応用したことも今後の発展につながる大きな新規性を含んでおり,学術的意義の高い研究成果と言える.
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