研究課題/領域番号 |
19K03646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
矢久保 考介 北海道大学, 工学研究院, 教授 (40200480)
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研究分担者 |
小布施 秀明 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50415121)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 複雑ネットワーク / フラクタル / 長距離次数相関 / 臨界現象 / 自己組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
長距離次数相関の一般論に基づいてハブ同士の長距離反発相関の強さを定量化する。その上で、ハブ間反発相関を強くすることによりネットワークにフラクタル性が発現するか否かを明らかにする。また、フラクタル構造とスモールワールド構造との間のクロスオーバー・スケールがハブ間反発相関の強さとどのような関係にあるかを解明する。ネットワークの臨界性と無関係なハブ間反発相関によってフラクタル性が発現すれば、SOCダイナミクスと質的に異なる新たなメカニズムを提唱したことになる。さらに、ネットワーク機能と長距離次数相関の関係を明らかにするため、ハブ間反発とネットワーク上で起こる幾つかの物理現象の関係を解明する。
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研究成果の概要 |
複雑ネットワークの多くは、トポロジカルな意味においてフラクタル性を示す。この性質の発現が自己組織化臨界性と密接に関係していることはよく知られているが、本研究では、複雑ネットワークにおけるフラクタル性と各ノードの隣接ノード数(次数)同士の相関との関係を明らかにした上で、ネットワークにおけるフラクタル性発現の新たな機構を探る。具体的には、自己組織化臨界ダイナミクスによるフラクタル複雑ネットワークの形成機構を明らかにするとともに、高次数ノード(ハブ)どうしが互いに遠く離れているという経験的事実とフラクタル性の関係解明をとおし、ハブ間反発によってフラクタル性がどのように生まれるかを明らかにする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海岸線などの通常のフラクタル系の形成機構を自己組織化臨界性に基づくモデルにより理解しようとする試みは従来から行われてきたが、ユークリッド距離が定義されないネットワーク系におけるトポロジカルな意味でのフラクタル性も同じ機構で説明され得ることを示すことは複雑系の理解に大きな進展をもたらす。また、この性質を長距離次数相関の観点から解明する試みは前例を見ないものであり、得られた知見は機能性ネットワークのボトムアップ的デザインにも大きなインパクトを与える。
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