研究課題/領域番号 |
19K03648
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
長谷川 雄央 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 教授 (10528425)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 複雑ネットワーク / パーコレーション / フラクタル / 相転移 / 臨界現象 / 感染症モデル / ネットワーク科学 |
研究開始時の研究の概要 |
複雑ネットワークと総称される、ランダムで非一様なつながり方をしたグラフ上のダイナミクスは、ユークリッド格子では見られない振舞いを示す。グラフの構造次第で、臨界点の唯一性は失われ、臨界状態がロバストに続く臨界相に代わる。本研究は複雑なつながり方がもたらすロバストな臨界性に焦点をあてることによって、グラフの構造とダイナミクスの関係の理解を深化させる。具体的には、以下の課題を解決していく: 【1】ロバストな臨界性が出現するグラフの幾何的条件の特定 【2】ロバストな臨界性を伴う平衡・非平衡統計物理モデルのダイナミクスの理解 【3】ロバストな臨界性を伴う複雑ネットワークの生成メカニズムの解明
|
研究実績の概要 |
(1)フラクタルなネットワークを生成する代表的なモデルにSong-Havlin-Makse(SHM)モデルがある。世代更新の際の辺の繋ぎ変え操作に確率を入れ、その確率を動かすことで、SHMモデルは有限次元の(フラクタルな)スケールフリーツリーから無限次元のスケールフリーツリーまで生成することができる。ネットワークの次元性とパーコレーション転移の関係を調べるため、SHMモデル上のボンドパーコレーションを扱った。open bond probability pにおけるルートクラスターのフラクタル指数を導出した。得られたフラクタル指数から、有限次元のスケールフリーツリーでは0<p<1の全ての領域が非パーコレート相になり、無限次元のスケールフリーツリーでは0<p<1の全ての領域が臨界相になることが明らかとなった。(研究室学生との共同研究)
(2)昨年度に続き、ランダムなショートカット付きのツリー上のパーコレーションを調べた。ツリーは双曲的であるが、同世代の2頂点間に適当な確率に従ってショートカットを追加するようにしたとき、その双曲性は失われる。一方で、ツリー上のパーコレーションは(臨界点ではなく)臨界相を示す。ショートカットの追加によっては、臨界相は消失して臨界点が現れるが、双曲性の消失とはあまり連動していない。今年度は、ネットワークのコア(有限割合の頂点ペアの最短路に必ず使われるような頂点のグループ)の存在に着目し、コアの有無と臨界相の有無の間により近い関連があることを議論した。
|