研究課題/領域番号 |
19K03650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
時田 恵一郎 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (00263195)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 生態系 / 種間相互作用 / ネットワーク / ランダム行列 / 種の豊富さのパターン / 大自由度 / 非線形 / 進化力学系 / 相互作用 / 微生物叢 / カオス / Lotka-Volterra方程式 / レプリケーター・ミューテーター方程式 / 統計力学 / 進化ダイナミクス / 種個体数分布 / 生物多様性 / 多様性 / 進化 / ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
物理学、生物学、情報科学、社会科学、経済学などの様々な分野で研究されている巨大システムに注目し、多種多数の主体が複雑な相互作用を介して影響し合いながらその個体数などを変動させ時間発展する大自由度非線形進化力学系の巨視的性質を、統計力学的手法や計算物理学的手法を用いて解明する。特に、これまで申請者が進化力学系に適用してきた数理物理学的手法を適用することにより、生態系、免疫系、経済システムなどの様々な現実の進化力学系に共通に見出されてきた多様性のパターン、種個体数分布、種数面積関係などの巨視的なパターンが生み出されるメカニズム、特に環境や種などの性質を表すパラメータに対する依存性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
マウス腸内細菌叢データを解析し、OTU相互作用と微生物叢ネットワークの特徴を発見した。さらに、レプリケーター・ミューテーター方程式をシミュレーションすることにより、検出限界以下まで存在量が減少した後に復活するなど、カオス的なダイナミクスを示す種を発見した。また、この種の存在量パターンは、1930年に本村功によって発見された幾何級数型であることもわかった。これらの成果は、国際生物物理学会議(ICBP2023)で招待講演として発表された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウス腸内細菌叢のOTU間相互作用がこれまでさまざまな数理モデルで仮定されてきたランダム行列に近いものであることを示唆しており,統計力学,数理生物学における重要な仮説を検証したことになっている.また,各OTUの役割分担についても重要な示唆を得た.さらに,腸内細菌叢の種の豊富さのパターンが水系生態系等で観測されるものと同様の幾何級数型になることを強く示唆する結果を得た.これらの成果は,実証生物学,理論生物学,データ科学の融合領域における新たな発見という意味で学術的意義があると考えている.腸内細菌とホストの疾患との関係の探求に対しても重要な示唆を与えており,社会的意義は深いと考えている.
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