研究課題/領域番号 |
19K03656
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山本 健 琉球大学, 理学部, 准教授 (00634693)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 社会物理学 / 確率モデル / 対数正規分布 / データ解析 / 確率過程 / 複雑系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、市町村や都道府県などの人口の分布に対するモデル化と解析をおこなう。実際の人口分布を細部まで正確に再現するのではなく、大まかな特徴を再現するシンプルな確率モデル化を目指す。シンプルなモデルによって、数理的な構造が明確になるとともに、モデルを厳密に解析することができると期待できる。さらに、人口の移動に関する統計調査結果を利用し、モデルの定量的な評価をおこなう。人口という対象について、確率過程の理論解析と実データの分析を両立することが本研究の目的である。
|
研究実績の概要 |
下限値をもつ乗算的確率過程に対して、サンプルごとに下限値を変化させる「可変下限値」の効果を導入した場合の理論的な解析をおこなった。導出された分布関数は4つのフィッティングパラメータを含むため、適切なカーブフィッティングの方法についても考察をおこなった。市町村別の従業者数や国立大学法人の運営費交付金額の確率分布のデータとの比較を含めた結果に関する論文が物理学分野の英文学術誌 Journal of the Physical Society of Japan 誌に掲載された。また、統計物理学の考え方や手法を用いて社会システムや社会現象の分析を試みる「社会物理学」に関する分担執筆の書籍が出版された。 2022年度スポーツデータサイエンスコンペティションでは、フィールド上のスペースの安全性の評価やボール保持時間の確率分布に関する研究で、サッカー部門の優秀賞と入賞を獲得した。この研究内容については、論文の作成を進めているところである。 乗算的確率過程に対して、ステップ数(あるいは時間)が指数関数的な分布にしたがう場合、確率変数の定常分布はべき乗で減衰する裾をもつことが知られ、この分布は2重パレート分布とよばれる。この確率過程を変形し、乗算的確率過程のステップ数が一様分布にしたがうとしたモデルの解析をおこなった。確率分布の式を導出し、モーメントの計算などから分布の特徴を考察した。この結果については、論文化が現実的であるか内容を検討している段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文や書籍の出版といった成果が着実に得られているため。
|
今後の研究の推進方策 |
人口の移動をベースとした簡略化した確率モデルの解析結果をデータ分析の結果と比較する。モデルは2重パレート分布と関係があると予想しており、2重パレート分布と実際の人口分布の比較をおこない、さらにモデルの解析結果についてより詳細に比較する。
|