研究課題/領域番号 |
19K03658
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
中平 健治 玉川大学, 量子情報科学研究所, 教授 (90804005)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 量子論 / 量子情報理論 / 操作的確率論 / 量子プロセス識別 / 量子古典混合系 |
研究開始時の研究の概要 |
量子情報理論において量子論の特徴を最大限に活用するためには,量子系のみならず古典系およびそれらの混合系に対する情報理論的な性質を深く理解することが重要である。近年,少数個の直観的な原理のみを用いて量子系と古典系の数理構造を導出できることが示され,両系に対する理解が深まっている。一方,量子古典混合系の数理構造については同様の原理のみから導出するには至っていない。 本研究では,量子測定が持つ操作的な性質に着目して原理を構築することで本系の数理構造を導出できる可能性があるという着想を得た。直観的な原理から量子古典混合系の数理構造を導出し,本系の情報理論的な性質について理解を深めることをめざす。
|
研究成果の概要 |
操作的確率論に対して4個の操作的な要請を導入することで量子古典混合系を含む量子論の数理構造を再構築できることを示した。また,量子プロセスの最適な識別法を求めるための手法を開発した。具体的には,広いクラスの量子プロセス識別問題を凸計画問題として定式化する方法を開発し,最適識別が持つ必要十分条件や最適性能の上界・下界などを導出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
複素ヒルベルト空間などの抽象的な数学の概念を前提とせずに量子論の数理構造を特徴付けることは,量子論における長年の課題である。本研究では,操作的・確率的な言葉で述べられた要請のみを用いて,(量子古典混合系を含む)量子論の数理構造を導けることを示した。これにより,できるだけ直観的な概念のみを用いて量子論を特徴付けるための一つの方向性を示した点が,本研究成果の学術的意義や社会的意義である。また,量子プロセスの最適識別を求めるための手法を開発したことで,識別という基本的な操作における物理性能限界を解析することを可能にした。
|