研究課題/領域番号 |
19K03661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山崎 義弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10349227)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 非線形動力学 / 超離散 / 数理モデリング / 粘着 / 統計物理 / 非平衡系 / 前駆現象 / スティック-スリップ振動 |
研究開始時の研究の概要 |
粘着テープの剥離に着目し、剥離のパターン形成・動力学特性・統計的性質に関する研究を行う。特に、実験結果を包括的に統一して表現することのできる力学系モデルに基づき、転移の際に前駆現象としてみられる転移の連続性を解明する。また、摩擦系のすべりで報告されている先行研究の結果と類似していることに着目し、先ずは理論の方面から、破壊における「なだれ」現象(局所的に起こったイベント(破壊・すべり)が周辺で新たなイベントを引き起こし、連鎖的に拡がっていく現象)に対する解析を行う。さらに、粘着剥離と摩擦すべりを実験・理論の両面から調べる。そして、動的転移の連続性と前駆現象との関連および普遍性を探る。
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研究成果の概要 |
(1)粘着テープの剥離で観られる時空パターンについて、時間差を考慮した大域的かつ非対称局所的相互作用をもつ確率セルオートマトンモデルを構築し、解析を行った。 (2)粘着テープの剥離で見られるスティックスリップ(自励振動)はリミットサイクル振動として理解され、一般に連続変数に基づく常微分方程式系で議論される。我々は、リミットサイクル振動を有する連続力学系に対してトロピカル差分を行って得られた離散力学系に着目した研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
粘着テープ剥離で観られる動的転移とその前駆現象は、実用的に重要でテーマである。また、より一般に、これらの現象は分岐現象・時空パターン形成現象として捉えることができ、非線形動力学、非平衡統計力学の観点からも興味深い現象であるといえる。特に、時空パターン形成現象については、連続系、および、離散系のモデルが構築されていが、両者の間にどのような数理的関係があるかという問題は、ウルフラム第9問題としても広く知られている重要な問題である。
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