研究課題/領域番号 |
19K03683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山田 泰裕 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (50532636)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ハロゲン化金属ペロブスカイト / ラシュバ効果 / 光物性 / 磁気分光 / ペロブスカイト構造 / ハロゲン化鉛ペロブスカイト / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
画期的な新規太陽電池材料として注目されているハロゲン化金属ペロブスカイトは、高い欠陥耐性を有する高品質半導体である。さらに、重い鉛を含有することにより従来の半導体材料にはない強いスピン-軌道相互作用を有し、巨大なラシュバ効果が報告されている。ラシュバ効果は、ユニークな磁気光学現象をもたらし、革新的なスピン生成・制御・検出を実現するキーテクノロジーとして注目されている。本研究では、磁場下における時間分解発光分光およびカー回転分光によってスピンに依存した光学特性やスピン緩和ダイナミクスを明らかにすることで、ハロゲン化鉛ペロブスカイトを舞台とした新しい光物性・スピン物性の研究展開を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究ではハロゲン化金属ペロブスカイトのユニークな電気的・光学的性質について研究を行った。極低温での磁気分光によって、ポーラロン効果による有効質量や励起子束縛エネルギーへの影響を明らかにした。ランダウ準位の磁場依存性からポーラロン効果による有効質量の増大を定量的に示した。また、強弾性ドメイン境界における光電気特性についても研究を行った。低温の斜方晶相では光学禁制な三重項励起子が3つに分裂しているが、この分裂の様相が強弾性ドメイン境界において大きく変化することを見出した。さらに、この界面において二次元的な伝導領域の形成を示唆する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、太陽電池や光デバイス材料として脚光を浴びるハロゲン化金属ペロブスカイト半導体の基礎的な光学特性を明らかにした。特に、磁気分光によるポーラロン形成メカニズムの解明は、最も重要な半導体パラメータの一つである有効質量の正確な値を報告するとともに、この材料の電気伝導特性の高いポテンシャルを示した点で大きな意義がある。また、ドメイン境界における二次元伝導性は、今後のさらなる研究が必要であるが、同種界面を舞台にした新しい物理現象の発現との観点から興味深い。
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