研究課題/領域番号 |
19K03716
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
佐野 和博 三重大学, 工学研究科, 教授 (40201537)
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研究分担者 |
大野 義章 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40221832)
中村 浩次 三重大学, 工学研究科, 教授 (70281847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超伝導 / 第一原理計算 / 表面・界面系 / タングステンブロンズ / 表面系 |
研究開始時の研究の概要 |
アルカリ金属をドープしたタングステンブロンズ(WO3)の表面系や鉄セレン化合物(FeSe)界面系では常圧下でありながら超伝導転移温度Tcが100K前後となっており従来から知られている高温超伝導体である銅酸化物系のTcに匹敵する転移温度が観測されており極めて興味深い。WO3やFeSe系、いずれの系もバルク状態でも超伝導を示すが、そのTcは10K以下であり表面や界面を構成することによりTcが大幅に上昇したものと言える。本研究では物質の電子状態を忠実に反映することが出来る計算機シミュレーション(第一原理計算)を用いて、これらの電子状態を詳しく調べ高いTcを生み出す超伝導メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はタングステンブロンズ表面系や鉄系超伝導体の界面系などで報告されている高温超伝導のメカニズムを解明することにある。これらの系は常圧下でありながら超伝導転移温度Tcは100K前後となっており、よく知られた銅酸化物系で観測されている転移温度に近く大変興味深い。これらの系はバルク状態でも超伝導を示すが、そのTcは10K以下であり表面や界面の効果によりTcが大幅に上昇した可能性が高いと言える。そこでこれらの超伝導機構の本質はフォノンと電子相関の両者が助け合って発現しているものではないかという仮説を立て第一原理計算により検討を加えた。これらの成果は論文としてまとめ公表済みである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨視的な量子現象である超伝導は学術的に興味深いだけでなく、高い超伝導転移温度を持つ物質が発見されれば、それを用いた電子デバイスや強力な電磁石への応用等が期待され大きな社会的意義を持つ。本研究では第一原理計算を用いて超伝導機構として従来から知られていたフォノンに加え電子相関の効果を加えたメカニズムが、新しい高温超伝導メカニズムの候補になりえるかどうかを検討した。常圧下ではフォノンメカニズムだけでは高い転移温度を実現することは難しいものと考えられるが、これに電子相関の効果を加えれば相乗的に高い転移温度が期待される訳である。本研究はこの新しい高温超伝導メカニズム研究の礎となったと考えられる。
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