研究課題/領域番号 |
19K03738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
中野 岳仁 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (50362611)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アルカリ金属 / ナノクラスター / スピン軌道相互作用 / クラスター / s電子 / ラシュバ効果 / 電子スピン共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
ゼオライト結晶のナノ空間中に形成したアルカリ金属クラスター(原子集団)では,元のアルカリ金属のs電子は本来示さない強いスピン軌道相互作用が発生する.クラスターの新しい量子状態と,クラスター表面での局所的対称性の破れがその原因と考えられているが詳細は分かっていない.本研究ではアルカリ元素種とナノ空間の対称性を変えた試料を系統的に作成して電子スピン共鳴測定を詳細に行うことにより,スピン軌道相互作用増強の機構を定量的に明らかにする.
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研究成果の概要 |
多孔質結晶であるゼオライトA中のアルカリ金属(K, Rb, Cs)ナノクラスターについて電子スピン共鳴による研究を詳細に行った.スピン格子緩和に由来するESR線幅や,g値のシフトなど,スピン軌道相互作用に直接関係する物理量の,電子濃度依存性とアルカリ元素依存性に関しての全貌が定量的に明らかになった.クラスターの1p準位の軌道縮退の効果が非常に大きいことが分かった.また,重元素効果も非常に明確に現れた.原子よりも一回り大きなナノクラスターにおけるスピン軌道相互作用の基礎となる知見が得られた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子よりも一回り大きなサイズ領域である金属ナノクラスターにおけるスピン軌道相互作用はこれまであまり詳しく調べられてこなかったが,本研究によってその基礎情報の全貌が明らかになった.また,元来は軌道角運動量を持たないs電子がナノクラスターにおいて強いスピン軌道相互作用を獲得する機構についても明らかになった.これらの知見は,ナノ構造体を構成要素とする機能性新物質の開発指針に役立つ可能性がある.
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