研究課題/領域番号 |
19K03760
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
羽鳥 晋由 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (00283036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 細胞骨格 / モータータンパク質 / 自己組織化 / 中間径フィラメント / 細胞サイズ空間 / アクティブマター / 液液相分離 / アクチンフィラメント / アクチン / 油中水滴法 / リン脂質 / ソフトマター |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内において細胞骨格タンパク質が自発的に指向性運動することや,規則的な構造を形成する機序については不明な点が多い.この問題に取り組むための方法として,精製された細胞骨格とモータータンパク質を用いた顕微鏡下での運動再構成法がある.近年このような基本要素から細胞様の組織再構成を目指す研究が活発化している.本応募研究では,アクチン線維および中間径フィラメントに焦点を当て,異種タンパク質の混合状態から,枯渇力・重合力・弾性力・駆動力によって発生すると予想される配向や組織化の経時変化を明らかにする.これらの結果は生体組織が構築される機序の解明に貢献し,自発的に形成される秩序構造物の開発の提案に繋がる.
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研究成果の概要 |
典型的な真核細胞サイズの油中液滴空間がもつ拘束条件において,内包された中間径フィラメント(デスミン)がその集合過程でアクチン線維と協調して生み出すパターンや作用を明らかにした.加えて,デスミンとリン脂質層との選択的相互作用を見出した.蛍光顕微鏡下でのシングルデスミンフィラメントのイメージングを可能とし,今後のフィラメント間相互作用の詳細な調査が期待される.合わせて,アクチン線維とミオシンとの相互作用へのアクチン付加物による抑制効果を定量評価した.これらの成果を査読付き学術誌に4編の論文として発表した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核細胞内には種々のタンパク質,核酸,脂質等を含み,それらが自発的に細胞小器官等の区画を生成したり,細胞構造や運動に秩序を与えている.この秩序を生み出す要因のひとつに,細胞骨格フィラメント間の相互作用がある.これまでは,個々のフィラメント要素の物性が主な調査対象であったが,本研究により,異種のフィラメント間で生じる弱い相互作用や物性の差を根底にした秩序化の可能性が示され,細胞骨格由来の障害に対する知見や新たな組織材料の開発にひとつの指針を与える.
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