研究課題/領域番号 |
19K03775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
池原 飛之 神奈川大学, 工学部, 教授 (90242015)
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研究分担者 |
犬束 学 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 機能化学部門, 研究員 (70735852)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 固体表面 / グラフト鎖 / 表面自由エネルギー / 結晶化速度 / 融点 / 単分子膜 / 固体基板 / 結晶成長速度 / 薄膜 / グラフト高分子 / 結晶性高分子 / グラフト / 樹状結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
固体表面に高分子鎖末端が結合した結晶性高分子が示す構造について、グラフト密度や結晶化条件を変化させたときに形成される構造変化を系統的に明らかにする。グラフト層での分子鎖の挙動を単純な薄膜や厚膜での挙動と比較することにより、グラフトされた分子鎖の振る舞いを明らかにする。これら結果を応用につなげるため、核生成サイトやラメラ晶の成長方向などを制御する方法を模索する。最終的に、得られた結果を基にグラフト層における結晶化機構に関して提言することを目標とする。
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研究成果の概要 |
固体基板に末端を結合した結晶性高分子の結晶化と構造形成を、結合のない薄膜と比較することで、結晶性グラフト鎖の性質を明らかにした。グラフト膜の結晶成長速度は薄膜よりも速かった。グラフト膜でレジーム転移が起こることを明らかにした。結晶化速度と融解過程の結果からラメラ折りたたみ面と側面の表面自由エネルギー(σeとσs)を求めると、薄膜に比べてグラフト膜のσsの値は大きく、σeの値は小さかった。この原因として、グラフト膜の方が薄膜に比べて分子が動きにくいため、グラフト鎖のラメラ折りたたみはより乱れていること、及び、グラフト膜ラメラ側面は、薄膜の場合と比較して大気に多く接触していることが考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年ナノテクノロジーの発展により、ナノメートル領域における物質の挙動が注目されている。本研究は固体表面上に存在する厚さ10 nm程度の高分子膜に関する研究である。本研究の成果は、固体表面に高分子膜をコーティングする際のコーティングの安定性の評価、作製条件の設定、表面の機能制御などに波及することが期待できる。
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