研究課題/領域番号 |
19K03786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14010:プラズマ科学関連
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
中村 龍史 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (40318796)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 輻射反作用 / 高強度場 / LAD方程式 / 自己力 / 超高強度レーザー / Mo-Papas方程式 / Landau-Lifshitz方程式 / Schott項 / 超高強度場 / 相対論運動 / 強強度レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
加速度運動を行う荷電粒子は輻射の形でエネルギーを放出する。しかし輻射による粒子運動への反作用力を考慮した古典電磁力学的な運動方程式は未だ確立していない。輻射反作用力を考慮した運動方程式の候補であるLorentz-Abraham-Dirac(LAD)方程式は、高次の時間微分項を含むことから比較的単純な電磁場分布の場合を除いて解析解のみならず数値積分解の求解も困難である。そこで本研究では、LAD方程式において発散解を導く要因であるSchott項の物理的意味を解明し、一般的な系におけるLAD方程式の安定な求解法を導出することを目的とする。
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研究成果の概要 |
輻射によるエネルギー損失を考慮した荷電粒子の運動方程式としてLorentz-Abraham-Dirac (LAD)方程式が提案されているが、高階微分項の存在による数学的問題が指摘されている。そのためLAD方程式の摂動近似に相当するLandau-Lifshitz方程式やMo-Papas方程式など上記の問題を含まない方程式が代用されている。本研究では比較的簡単な系におけるこれらの方程式による運動の解析解を導出し、解の振る舞いの定量的な比較・検討を行った。その結果、各方程式の解には場の強度に依存する定量的な差が見られるが、量子効果が無視できる古典領域においてはいずれの解も差異が小さいことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
輻射を考慮した運動方程式として提案されているLAD方程式は、高階微分項を含むため解析的求解のみならず数値的球解も難しくこのためLAD方程式の近似方程式に相当する方程式を代用することが多い。そこでこれらの方程式を用いて運動の解析解を導出し、それらの定量的な比較を行った。その結果、量子電磁力学的な効果が無視できるような電磁場の強度領域においては、LAD方程式の解とLandau-Lifshitz方程式、Mo-Paras方程式、Ford-O’Connell方程式の解の相対的な誤差は10-6程度と小さいことが示された。このことは、数値積分が可能な上記の近似方程式を用いる際の妥当性を示す根拠の一つとなる。
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