研究課題/領域番号 |
19K03829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
森山 翔文 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (80402452)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 超対称チャーン・サイモンズ理論 / 行列模型 / フレドホルム行列式 / ワイル群 / アフィンワイル群 / 双対カスケード / 平行多面体 / パンルヴェ方程式 / 大分配関数 / タウ関数 / 弦理論 / チャーン・サイモンズ理論 / 双対性 / ゾーン多面体 / ワイル部屋 / アフィンワイル部屋 / M理論 / 量子曲線 / M2ブレーン / エアリー関数 / ブレーン遷移 / スペクトラル理論 / 位相的弦理論 / 代数曲線 |
研究開始時の研究の概要 |
10次元弦理論は統一理論の最終形として有力視されている。その豊かな非摂動論的な効果のため、発見当初の想像をはるかに超える展開を遂げている。特に非摂動論的には11次元のM理論に拡大し、弦ではなく膜が主役となる。これらの物理を理解する上で、共形場理論の解析は不可欠である。約30年前に2次元共形場理論が厳密に解けて、弦理論の理解が飛躍的に進んだ。近年では弦理論やM理論の非摂動論的な効果の理解において、3次元と6次元の超対称性を持つ共形場理論が極めて重要な役割を果たすことがわかってきた。そこで、本研究では、3次元と6次元の超共形場理論の普遍的な構造を調べることで、“M理論の地図”に対する知見を得る。
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研究成果の概要 |
10次元弦理論の非摂動論的な効果や11次元に拡大するM理論の全体像を理解したい。特に対称性や可積分構造の視点から、M2ブレーンを記述する理論の大正準分配関数の普遍的な特徴を捉えたい。本研究期間において得られた成果により、双対性やハナニー・ウィッテンのブレーン遷移が大分配関数の書き換えから得られるスペクトル演算子のワイル群の対称性に同定され、円周上でブレーン遷移を継続的に実行する双対カスケードが大分配関数のアフィンワイル群の対称性に同定された。この同定により大分配関数がパンルヴェ方程式を満たすことを発見した。また、双対カスケードの有限性と一意性に関する疑問を幾何学的に翻訳し、肯定的に解決した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
対称性を用いて物理を捉え直すことは、様々な物理系に対して広く行われる研究手法である。本研究では特にM2ブレーンやM理論をワイル群やアフィンワイル群の対称性や可積分構造の視点から理解した。これによりパンルヴェ方程式との関連を明らかにした。数学的にパンルヴェ方程式は非線形微分方程式の特殊関数の発見を目的に考案されたものであるが、物理的な応用を与えることにより大きく拡がりを見せ、これからも互いに影響しながら発展していくと期待される。また、他の超対称ゲージ理論に対してもアフィンワイル群やパンルヴェ方程式との関連が指摘されており、これを通じて広く他の超対称ゲージ理論との関係が解明されていくと期待される。
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