研究課題/領域番号 |
19K03840
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
近藤 慶一 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (60183042)
|
研究分担者 |
柴田 章博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 研究機関講師 (30290852)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | クォークの閉じ込め / グルーオンの閉じ込め / カラー閉じ込め / 双対超伝導 / 場の量子論の非摂動的方法 / 磁気単極子 / 複素特異点 / 伝播関数の複素極 / スペクトル関数 / 質量項を持つヤン・ミルズ理論 / 鏡映正値性 / ゲージに依らないヒッグス機構 / 双対超伝導描像 / 伝播関数の複素局と複素特異点 / 閉じ込め / クォーク / グルーオン / ヒッグス機構 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲージ不変なBrout-Englert-Higgs(BEH)機構と伝播関数の複素構造に基づいて閉じ込めの描像を調べる。(i) グルーオン伝播関数の特異点が複素極の場合には,グルーオン質量に虚部が存在し,グルーオンは極めて短い寿命を持つ不安定粒子となり,漸近状態から消え去るため観測されない。(ii) 極が全く存在しない場合は,グルーオンの1粒子状態が存在せず観測されない。もし,(iii) 実数の極が存在する場合は,Higgs 相に相当し観測可能と考えられる。伝播関数を再現するために,極と同時にスペクトル関数の振る舞いを同時に調べる。同様の考察をゴースト,軽いクォークの閉じ込めにも拡張する。
|
研究成果の概要 |
代表者が提唱したBrout-Englert-Higgs機構のゲージに依存しない記述を通じて得られるゲージ不変なグルーオン場の質量項を付加したSU(2) Yang-Mills理論において,’t Hooft-Polyakovの磁気単極子に対応する磁気単極子の解を発見した。また,Julia--Zee ダイオン解に対応する磁荷と電荷を併せ持つ新しいダイオン解を発見し,有限温度での非閉じ込め相転移との関連を示唆した。 また,数値シミュレーションによって,クォークと反クォークを結ぶゲージ不変なカラー電場の分布を求めることで,クォーク閉じ込めの双対超伝導がタイプIであることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質を構成する原子のなかで,電子を除く原子核を構成する陽子や中性子は,クォークと呼ばれる素粒子が強い相互作用を担うグルーオンと呼ばれる素粒子によって結び付けられて存在していると考えられている。しかし,クォークやグルーオンは,陽子や中性子を含むメソン,バリオンなどのハドロンやグルーボールなどと呼称される,それらを基本的構成要素とする束縛状態としてのみ観測され,単体としては取り出されていない。これを「クォークの閉じ込め」と呼ぶ。この機構を解明することは,素粒子物理学のみならず,我々がどのようにしてこの宇宙に存在しているのかという根源的な疑問に答えるために重要であり,我々の研究は一つの解答を与える。
|