研究課題/領域番号 |
19K03892
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
石塚 正基 東京理科大学, 理工学部物理学科, 教授 (40533196)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニュートリノ / 二重ベータ崩壊 / マヨラナ粒子 / 測定器開発 / 素粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シリコン半導体検出器を用いたニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索実験の基礎研究を行う。 シミュレーションによる研究では、シリコン半導体検出器と二重ベータ崩壊核を重ねた構造の検出器による測定感度を見積もり、大型化を見据えて検出器の構造を最適化する。検出器構造の工夫として、検出器に磁場をかけて電子の軌道を制限することにより、検出効率を向上する。研究期間中には測定原理を実証するため、小型の検出器を製作し、検出効率、エネルギー分解能、バックグラウンド識別能力などの性能評価を行う。
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研究成果の概要 |
ニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索によるニュートリノのマヨラナ性の検証を目的とし、シリコン半導体検出器と二重ベータ崩壊核を並べた新しい検出器構造を検証した。研究期間には、測定において重要であるシリコン検出器のエネルギー分解能を測定により評価した。また、シミュレーションのソフトウェアを開発し、測定に基づくエネルギー分解能を仮定して新しい検出器構造での測定感度を評価した。この結果、1立方メートル程度の検出器で、原理的には、これまでの実験により得られているセレンの寿命の下限値を更新可能であることを示した。これらの成果を日本物理学会で報告し、修士論文にまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ニュートリノがマヨラナ粒子か否かは素粒子物理学における最も重要な研究課題の一つであり、その検証を目指して世界各地で測定器の開発が行われている。最終的には、発見を目指して大規模実験装置を建設する必要があるが、本研究ではその候補となる新しい検出器構造を提案した。測定器の大型化やバックグラウンドの精査などの課題は残されているが、シミュレーションによる研究と実験装置を用いた測定の両面から、新しい検出器構造により、原理的にはこれまでの実験を上回る測定感度での探索が可能であることを明らかにしたことが、本研究成果の学術的意義である。
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