研究課題/領域番号 |
19K03912
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 宏昭 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (70444396)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 分子雲形成 / L帯 / 水素原子 / CNM / OH輝線 / 臼田64m鏡 / SS433 / 臼田64鏡 / 低密度分子雲 / 電波天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は星形成の母体となる水素分子雲の形成条件、および水素分子形成率を明らかにすること、また低密度分子雲の分布・性質を明らかにすることである。これを達成するために、金星探査機「あかつき」や小惑星探査機「はやぶさ2」と通信を行っている臼田64m鏡のLバンド(1-2GHz)帯の高感度化を通して、高銀緯領域でヒドロキシラジカル輝線の観測を実施する。取得されるデータ、及び既存の一酸化炭素分子輝線、中性水素原子、低温ダストのデータを比較し目的を達成する。本研究は日本のLバンド帯の研究を普及・促進させ、SKA等の次世代観測装置への架け橋、ガンマ線との比較研究、分子雲自体の研究の発展に寄与する。
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研究成果の概要 |
分子雲形成領域と考えられている高銀緯の大規模フィラメント構造の一部に対して、中性水素原子21cm線のデータから二相の安定相の分離を行い、分子雲形成に関係が深い、低温・高密度の相の空間分布や性質を明らかにした。また、低密度分子雲の分布、性質を明らかにすべく、OH輝線の観測をJAXAが臼田宇宙空間観測所で運用している口径64mの通信アンテナを用いて実施した。さらに、OH輝線の周波数帯(L帯:1-2GHz)の受信機の高感度化を行い、日本国内でのL帯観測の推進に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、分子雲形成の研究にOHラジカルがトレースする低密度の分子雲を含めたことに新規性がある。中性水素21cm線がトレースする水素原子雲と一酸化炭素分子輝線がトレースする分子雲の間には密度のギャップがある。OHラジカルがこのギャップを埋める。分子雲の形成・進化の議論を低密度水素原子ガスから高密度分子雲までシームレスに追うことができるようになる点で、学術的意義は大きい。また、この研究は臼田64m鏡といった国内の望遠鏡を観測に使っている。L帯の研究開発は日本では立ち遅れている部分があり、L帯の高感度受信機を開発する点において、日本のL帯天文学を発展させる意味で学術的意義は大きい。
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