研究課題/領域番号 |
19K03946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
羽場 麻希子 東京工業大学, 理学院, 助教 (30598438)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Vesta / zircon / U-Pb / Pu-Xe / HED / meteorite / HED隕石 / 小惑星ベスタ / 大規模衝突 / 高精度U-Pb年代分析 / Nb-Zr相対年代測定 / ユークライト / 隕石ジルコン / U-Pb年代 / (U-Th)/He年代 / ジルコン / ID-TIMS / ラマン分光分析 / 年代測定 / 分化天体 / 隕石年代学 |
研究開始時の研究の概要 |
小惑星ベスタは分化天体であり,隕石を用いた物質的研究と探査機による観察が行われている唯一の小惑星である.そのため,ベスタにおける隕石研究と探査研究は,双方の研究の組み合わせによる新しい研究の展開を考える上で重要である.ベスタ起源隕石から,ベスタは30-60 kmの原始地殻を保持する稀有な天体と考えられてきたが,探査の結果,ベスタの地殻は85 km以上に達することが明らかになった。これらの矛盾する結果に対し,ベスタが形成初期に大規模衝突を経験し内部構造が変化したとする説が提唱されている.本研究ではベスタの大規模衝突に関する仮説に対して,ベスタ起源隕石の年代測定を行い検証することを試みる.
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研究成果の概要 |
小惑星ベスタの形成初期における巨大衝突の可能性を探るため,ベスタ由来の隕石であるHED隕石の年代測定を行い,年代学的な検証を行った.まず,玄武岩質ユークライト中のジルコンを用いて高精度U-Pb年代分析を行い,衝突の年代が得られるかを検証した.本研究で用いたCamel Donga隕石のジルコンの年代は,従来法と比べて年代に伴う誤差1/10以下まで低減することに成功したが,用いたジルコン粒子はいずれも地殻形成年代を示した.また,ホワルダイト全岩試料を用いた244Pu-Xeでは,ベスタの初期進化に相当する年代が得られたが,巨大衝突の年代の検出には至らなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小惑星ベスタにおける巨大衝突の可能性を探るため,ジルコンの高精度U-Pb年代測定法の改良に取り組んだ.HED隕石中のジルコンはベスタの地殻の初期進化を考える上で重要な年代情報を与えるが,ジルコンの粒径が小さいため,二次イオン質量分析計を用いた年代測定が行われている.この手法では年代に対して2000万年以上の誤差がつくため,初期イベントを年代学的に分離するために高精度な年代が必要とされている.本研究では年代誤差を100万年以下に低減することに成功しており,本手法が複数のHED隕石に適応されることで,ベスタの地殻の形成史が明らかになり,原始惑星の進化プロセスへの理解が深まることが期待される.
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