研究課題/領域番号 |
19K03990
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小嶋 智 岐阜大学, 工学部, 教授 (20170243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 山体重力変形地形 / DSGSD / 地すべり / 深層崩壊 / テフラ / 放射性炭素年代 / 最終氷期 / 予測 / 氷河期 / 地域性火山灰 / スプレッド型地すべり / 焼岳 / 福島県 / 火山灰層序学 / 上高地 / 井川峠 / スイスアルプス / 斜面変動 / 二重山稜 / 山向小崖 |
研究開始時の研究の概要 |
山体は重力により変形し,山体重力変形地形(deep-seated gravitational slope deformation,以下DSGSDと略)を作り出す.申請者は,過去数年間の研究の過程で,DSGSDには深層崩壊の前兆現象としてのDSGSDと長期間にわたって安定して存在するDSGSDがあることを見出した.両者を識別する手法を開発し,識別されたDSGSDについて衛星画像等の情報を用いた活動度の推定を広域的に行い,精度の高い深層崩壊危険度マップを作成するための手法を開発する.これらの結果は,防災行政への貢献や斜面災害の被害軽減に大きく貢献すると考えられる.
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研究成果の概要 |
奥美濃地域の冠山周辺にみられる山体重力変形地形は、約1万年前に形成されその後は変動することなく安定して存続しており、深層崩壊の前兆現象ではない。大和地域では平成30年、令和2年に地すべりが発生したが、その前後に行われた航空レーダ測量の結果、深層崩壊前には山体重力変形地形が発達していたことが確認できた。上高地地域では、梓川左岸の山地が大規模に山体変形していることが明らかとなった。南アルプス地域では現在活発に活動している口坂本地すべりと、その上部に認められる線状凹地の形成・発達とは関連がないことがわかった。スイスベドレット地域では氷河の後退に伴って形成された山向小崖を調査中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
山体重力変形地形には、長期に渡って安定して存在するものと、深層崩壊の前兆現象として形成されるものが存在することが明らかとなった。前者の多くは、最終氷期後の湿潤温暖期(約1万年前)に形成され、その後は安定している。一方、美濃帯の大和地域のように突発性地すべりの前に前兆現象として形成される山体重力変形地形も存在する。さらに、南アルプスの口坂本地域のように、長期に渡って継続的に地すべりを起こしている場合には、その上部にみられる山体重力変形地形は変化しない。以上のような事実を考慮しながら、山体重力変形地形を深層崩壊の予知に利用していく必要がある。
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