研究課題/領域番号 |
19K03997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松田 博貴 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80274687)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | サンゴ礁 / 白化現象 / 喜界島 / 礁微地形 / 気象・海象 / 地球温暖化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,造礁サンゴの白化現象が頻発し,サンゴ礁生態系の崩壊が危惧されている.白化現象の頻度増加は,全球規模の地球温暖化に伴う表面海水温の上昇が大きな要因とされているが,同一サンゴ礁内でも白化現象に差があり,礁内の微環境が白化現象に影響を与えていると考えられる.本研究では,礁微地形に起因する礁内の微環境の差異,台風等の気象・海象に伴う海洋環境の変化やその時間・空間スケール,さらにそれらが白化現象に及ぼす影響について解明することを目的とし,サンゴ礁北限域に位置する喜界島を調査地とし,異なる礁微地形の地点の海洋データと気象・海象データを基に,礁微地形と白化現象の関係について検討する.
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研究成果の概要 |
近年,地球温暖化に伴い白化現象が頻発し,2016年には琉球列島サンゴ礁北限に近い鹿児島県喜界島においても白化が確認された.本研究では,この喜界島において礁微地形に着目し,海水温変化と気象・海象の関係を検討した. 夏季の標準的な気象条件では,礁地形に関わらず気温に対応した規則的な海水温変化を示す.これに対し,夏季卓越風と異なる風向や強風時には,開放的礁地形の地点で海水温が変化しやすく,特に南東岸の花良治では,陸側から,あるいは島伸長方向の強風時に海水温が低下する.これは暖かい表層海水が吹送され,下層の低温の海水が流入するためと考えられる. 一方,降水量は海水温に大きく影響しない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造礁サンゴの白化現象は地球温暖化による汎世界的な海洋環境の変化や高海水温の頻発が重要であるが,個々のサンゴ礁域における海水温変化には,閉鎖的か開放的かなどの礁微地形や島内位置の違いによる風の影響が大きいことが明らかになった.このことは,海岸部におけるリゾート開発や港湾整備にあたっては,高海水温化の抑制に有効な風向・風速を把握し,それを阻害するような高層構造物の建設は避けるべきと言えよう.また礁内での海水循環に影響を与える防波堤整備や航路開鑿にも十分配慮すべきと考えられる.
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