研究課題/領域番号 |
19K04000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鈴木 由希 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (00374918)
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研究分担者 |
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70222354)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 榛名火山 / マグマ供給系 / 噴火誘発過程 / マッシュ状珪長質マグマ / 苦鉄質マグマ / マグマ混合 / マグマの加熱 / 噴火規模 / マッシュ状低温マグマ / 高温マグマ / 溶岩ドーム / 暗色包有物 / 結晶内元素拡散 / 噴火様式分岐 / 噴出物総量 / 新期活動 / 噴火準備・誘発過程 / マッシュ状マグマの再流動化 / 斑晶の元素拡散記録 |
研究開始時の研究の概要 |
地下の結晶に富むマッシュ状珪長質マグマに別の高温のマグマが注入すると、マグマが再流動化し噴火が誘発される。注入から噴出までの時間は、斑晶の元素拡散記録から算出できる。しかし検討される斑晶種が限られており、再流動化開始から噴火までの総時間が未解明であった。本研究は、榛名火山の新期活動で起きた規模の異なる複数の噴火を対象とする。複数の鉱物種の解析により、数時間~千年前の注入イベントを区別しつつ、各々に時間軸を入れる。これらにより(1)一回の噴火で噴出するマグマの量と再流動化の総時間の関係、(2)高温マグマの影響を受けた結晶の地下での滞在時間(噴火後も地下に残存するかどうか)を明らかにする。
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研究成果の概要 |
榛名火山の新期活動を対象に、マッシュ状珪長質マグマの時間変化と噴火誘発過程を検討した。45ka-10kaの4噴火と、5-7世紀の二ツ岳での2噴火を比較すると、マッシュ状マグマの含有鉱物種と組成は同じであるが、新しい2噴火でマグマのSiO2量や結晶量が乏しくマグマの粘性も低い。二ツ岳の2噴火を比較すると、二ツ岳渋川噴火では苦鉄質マグマに加熱されたマッシュが噴出しているが、その後発生した二ツ岳伊香保噴火では、加熱されたものの他、苦鉄質マグマと混合したものも噴出している。マグマ溜まりに供給された高温の苦鉄質マグマの量が伊香保噴火の方で多く、相対的に規模の大きい噴火になった可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マッシュ状珪長質マグマを対象に、噴火規模決定プロセスの理解をはかることを主な目的としていた。1火山の複数噴火を対象にしたため、噴火年代によるマッシュ状マグマの変化や、異なる特徴のマッシュの間の成因的関係も合わせて検討した。その結果、良く似たマッシュの関わる複数の噴火を選び出し、それらを比較することで、マッシュと高温の苦鉄質マグマとの相互作用の様式の違いが、最終的な噴火規模と関連を持っている可能性を指摘した。この研究を通じて、苦鉄質マグマを含むマグマの貯蔵深度についても整理した。その結果は地球物理学的手法等による観測的研究に還元され、榛名火山の火山活動の監視に役立てられる。
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