研究課題/領域番号 |
19K04013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
常盤 哲也 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (50649241)
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研究分担者 |
森 宏 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80788183)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 西南日本 / 地質構造発達史 / ジルコンU-Pb年代 / ラマン分光分析 / 広域地質構造 |
研究開始時の研究の概要 |
西南日本の形成史については,ナップ説と横ずれ説の二つの説が提案されているが,未だ解決されておらず,地質学における大きな課題の一つである.紀伊半島は,四万十帯・秩父帯・三波川帯が唯一直接接しており,両説の検証を行うことができる.本研究は,広域地質調査や変形構造解析に加え,最新の手法(ジルコンU-Pb年代,ラマン分光分析,帯磁率異方性測定)を用いることにより,広域地質構造・年代・被熱温度・変形から,地質構造発達史を明らかにし,ナップ説や横ずれ説の間で論争のあるジュラ紀~白亜紀における西南日本の形成史(地質構造発達史)を解明するものである.
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研究成果の概要 |
紀伊半島に認められる四万十帯・秩父帯・三波川帯の三重合点を中心に地質調査,変形構造解析,ジルコンU-Pb年代測定,ラマン分光分析などを行った.その結果,これらの地質体が複数のスラストシートからなると共に,付加体と変成岩の境界領域である最高被熱温度が約300℃の地質体が紀伊半島に分布することが明らかになった.加えて,ジュラ紀から白亜紀の海溝充填堆積物の砕屑性ジルコンU-Pb年代については,その最若年代と堆積年代とに大きなギャップがないことや,約1億年前に白亜紀のジルコンが急増すると共に,それらのジルコンの供給源が領家花崗岩類や阿武隈花崗岩類などであることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
紀伊半島には付加体と変成岩の境界領域である約300℃の被熱温度を受けた地質体が存在することが明らかになり,今後の付加体・変成岩の境界領域の研究場を提供することになった.また,ジュラ紀から白亜紀の海溝充填堆積物の砕屑性ジルコンU-Pb年代の最若年代が示準化石から求めた堆積年代と大きな差がないことが分かり,ジルコン年代による堆積年代の制約能力の可能性を見出した.加えて,海溝充填堆積物のジルコン年代構成は,東西で違いが認められるものの,その原因は近接する内帯の火成岩の分布状況で説明できる.このことは,大規模な左ずれを必要とせず,西南日本の地質構造発達史の解釈において重要な情報を提供する.
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