研究課題/領域番号 |
19K04037
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
田口 知樹 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 専任講師 (60791704)
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研究分担者 |
纐纈 佑衣 名古屋大学, 環境学研究科, 講師 (20726385)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ラマン分光分析 / 藍晶石 / 石英 / 残留圧力 / 地質圧力計 / 変成岩 / コース石 / 高圧変成岩 / FIB-TEM |
研究開始時の研究の概要 |
岩石に記録された圧力情報は、地球内部で起こる様々な地球科学現象を解読する上で必須データである。岩石の形成圧力見積もりは熱力学モデルを用いた計算が主である。しかし、天然の岩石は複雑な系であり、不確定要素を多く含む熱力学的変数を用いた圧力解析のみで、岩石の形成圧力値を正確かつ簡便に決定することには限界がある。本研究では、藍晶石内に存在するシリカ包有物の「残留圧力」に焦点を当てる。特に、残留圧力の方位異方性を考慮した解析と理論的な数値計算モデリングを行い、様々な環境で形成された高圧-超高圧変成岩の圧力条件を迅速・簡便・精密に決定できる「新しいラマン地質圧力計」の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
変成岩をはじめとする天然岩石の圧力解析は、熱力学を応用した手法に依存している。しかし、岩石は複雑な系であるため、熱力学解析を適用できない場合も多々ある。本研究では顕微ラマン分光分析を軸に、高圧型変成岩の形成圧力条件を推定できる「新たなラマン地質圧力計」の開発を目指した。解析試料は主に三波川帯権現地域の石英エクロジャイトであり、基質の藍晶石に包有された石英を対象に、ラマンスペクトルの網羅的検証を行った。その結果をもとに、残留圧力の数値計算モデルを精査し、藍晶石―石英系における新たなラマン地質圧力計の構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱力学モデルに基づく地質圧力計は固体地球科学分野で広く使用されてきたが、鉱物組み合わせの制限や、その選択の妥当性検証など難点もあった。ラマン分光学に基づく地質圧力計の大きな特徴は、原理的に熱力学から独立して圧力情報が取得できる点にある。また、藍晶石と石英は高圧型変成岩でよく認められる鉱物であり、本研究は汎用的な地質圧力計を提案したものといえる。本ラマン地質圧力計の実用化は、世界各地の様々な地質体における変成進化プロセスの理解に貢献できると期待される。
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