研究課題/領域番号 |
19K04049
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
宮崎 隆 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 主任研究員 (80371722)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | Ba安定同位体 / 海底堆積物 / 超温暖化 / 古海洋環境 / ODP Site 738 / 表面電離型質量分析計 / トータルエバポレーション / ダブルスパイク / 海洋底堆積物 / 生物生産性 / 古海洋 / リーチング / バリウム / 安定同位体 / 環境変動 |
研究開始時の研究の概要 |
バリウムには質量数の異なる7つの安定同位体が存在する。海底堆積物に含まれるバリウムには、堆積した場所や時代により、この同位体の存在割合(同位体比)がわずかに変化することが明らかにされつつある。本研究では、このわずかな変化が古海洋の環境変遷を地球規模で反映しているのかを、南大西洋やインド洋の海底堆積物コア試料を対象にしたバリウム安定同位体の高精度高密度分析により、明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
海底堆積物コア試料のBa安定同位体比から、古海洋環境変動の記録を読み取ることができるのか?この疑問に答えるために、超温暖化イベントが発生した環境変動の激しい時代に堆積したコア試料についてBa安定同位体比を分析した。その結果、Ba安定同位体比は、温暖化指標である炭素同位体比と類似した変化を示すことが明らかとなった。Baの挙動は、海水中の生物活動に大きく影響されることから、Ba安定同位体比は、海洋生物活動を主眼とした古海洋環境変動トレーサーとして有効であることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで古海洋環境変動の解明のため利用されてきた様々な元素濃度や同位体比は、堆積速度の影響を受けたり、生物活動以外の物理化学現象を反映するものであったりするため、過去の生物活動を主眼とした古海洋環境変動解明のためには、推定に基づく補正や間接的な解釈が必要であった。本研究によりBa安定同位体比が古海洋環境変動トレーサーとして利用可能であることが明らかとなり、過去の海洋生物活動を直接評価して古海洋環境変動を解析できる可能性が高まった。特に喫緊の課題である、地球温暖化に対しては、温暖化からの回復における生物活動が果たす役割の解明に強力なツールになると期待される。
|