研究課題/領域番号 |
19K04062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
重田 康成 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, グループ長 (30270408)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 三畳紀 / 魚竜 / 産出年代 / スパシアン期 / タイサウルス / ウタツサウルス / プリモーリエ / Spathian / 最古 / 魚竜類 / 年代 / 化石層序 |
研究開始時の研究の概要 |
魚竜類は、三畳紀に出現してジュラ紀に大繁栄し、白亜紀のなかばに絶滅した海棲爬虫類である。高度に水棲適応した種を含み、収斂進化の典型例として知られている。三畳紀前期に陸棲爬虫類のいずれかが水棲に適応したと考えられており、最古級の化石は中国、日本、ロシア、タイなどの三畳紀前期のスパシアン期の地層から見つかっている。しかし、これら産出年代の詳細については必ずしも十分に明らかにされていない。本研究では、ロシア極東地域、三陸海岸地域、タイ南部地域のスパシアン期アンモナイトの高精度年代層序の確立により、魚竜類の産出年代を特定し、水棲適応の過程を明らかにする上で重要な年代データを提供する。
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研究成果の概要 |
タイ南部のパッタルン地域や宮城県三陸海岸における下部三畳系の地質調査の結果、1)タイサウルスの産出年代が前期スパシアン期であり最古級の魚竜である、2)ウタツサウルスの産出年代が中期スパシアン期である、などがわかった。また、ロシア・プリモーリエ州南部地域の下部三畳系から採集された魚竜については、1)産出時代が前期スパシアン期である、2)骨化石の組織学的研究から高度に水棲適応していた、3)他の海生爬虫類に比べ体サイズが著しく大きい、などがわかった。本研究により、魚竜は前期スパシアン期の短期間に高度に水棲適応し多様化していたことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまであまり注目されてこなかったタイ南部や極東ロシアの魚竜化石が最古級(前期スパシアン期)であり、特にロシア産魚竜の骨組織は高度な水棲適応を示し、また他の海生爬虫類に比べ体サイズが著しく大きいこと、などを明らかにした。これらの成果は、海生爬虫類の進化や水棲適応の過程を明らかにする上で重要なデータを提供するものである。また、本研究は、日本をはじめとするアジア諸国を発信源として海生爬虫類の初期進化という世界的に注目度の高い研究テーマをさらに展開するきっかけになると期待される。
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