研究課題/領域番号 |
19K04157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
野口 昭治 東京理科大学, 理工学部機械工学科, 教授 (80349836)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ボールねじ / 非対称ねじ溝形状 / アキシアル負荷容量 / アキシアル剛性 / 走行耐久試験 / 非対称ねじ溝 / 高剛性 / 高負荷容量 / 耐久性 / 非対称溝形状 / 基本動定格荷重 / 圧痕 / 塑性変形 / 基本静定格荷重 / 電動射出成型機 / 転がり |
研究開始時の研究の概要 |
最近、ボールねじを電動射出成形機の型締め軸に用いることが多くなってきている。型締め方向に大きな力を伝える必要があるが、現在のボールねじは、ねじ溝が左右対象形である。アンギュラ玉軸受のように接触角を大きくすれば、原理的に一方向に大きな力を伝達することが可能になる。非対称形状のねじ溝を施すことができれば、高速性、応答性を保持したまま、型締め方向により大きな力を伝達することができるボールねじを実現できる。 本研究では、アンギュラ玉軸受のように非対称のねじ溝形状を設けたボールねじの設計と試作を行い、動作確認をした後、剛性測定や運動性能の確認実験を行い、実用化を目指した研究開発を行う。
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研究成果の概要 |
ボールねじは転がりを利用した機械要素であるが、近年射出成形機の動力伝達機構に使用されている。一方で、ボールねじはねじ面とボールとの接触面圧が高くなるので力の伝達には不向きとされてきた。そこで本研究では、ボールねじの溝形状をアンギュラ玉軸受のように非対称にすることで一方向のアキシアル剛性を向上できると考え、試作を行い、性能確認を行った。市販品と同じレベルの加工精度で試作を行い、基準とした対称ねじ溝ボールねじと比較して約1.6倍のアキシアル方向剛性となることを実験的に確認した。さらに、数値解析上では、基本動定格荷重が1.15倍,基本静定格荷重が1.25倍に向上する結果も得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、ボールねじとしての応答性を維持したままで、射出成型機型締め時に加えるアキシアル荷重を増加させることが可能となった。同じサイズのボールねじを用いた場合には型締め力の向上、同じ型締め力の成型機においては小型のボールねじを使用することができるので装置の小型化を実現することが可能となる。また、従来のボールねじ性能向上対策とは重複しておらず、非対称ねじ溝という新しい構造的な対策を加えることによって、更なる性能向上も期待できる。このように、射出成型機業界において大きな貢献が期待できる。さらには装置小型化による省資源・省エネにも貢献できるので、社会的な意義も有していると考える。
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