研究課題/領域番号 |
19K04219
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
奥村 幸彦 香川大学, 創造工学部, 教授 (80262971)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | アンモニア / オフガス / 窒素酸化物 / CO2フリー燃焼 / サーマルNOx / フュエルNOx / 燃焼速度 / 水素キャリア / 同軸噴流拡散火炎 / 低NOxバーナー / 乱流火炎 / 水素保炎 / 温暖化防止 / NOx 低減 / 乱流燃焼 |
研究開始時の研究の概要 |
アンモニア(NH3)はカロリーベースの高い燃料(383 kJ/mol-NH3)でありながら,その燃焼速度が低いために燃料としての利用度は低い.加えて,従来の石油系由来の炭化水素系ガス燃料と比較して,燃焼機構は今なお不明な部分が多い.本研究では,新規燃料かつ難燃性であることを克服し,新しい構想下でのバーナー開発に取り組んでおり,アンモニアの高負荷燃焼(単位体積当たりの発熱量の増加)およびクリーン燃焼を実現化する.高負荷燃焼により,ボイラーのコンパクト化がはかれるとともに,燃焼設備の最小化,伝熱効率の増加,および省エネ技術に直接的に貢献したい.
|
研究実績の概要 |
二酸化炭素(CO2)濃度の増加が温暖化の原因とされる中,燃焼時にCO2 を排出しないエネルギーを利用する水素社会が注目されている.特に,H2の製造過程でもCO2を排出しない「グリーンH2」の普及が期待されている.しかし,海外からH2を液体状態で輸送するには -253 ℃ に保つ必要があるなど,実現には多くの課題がある.そのため,H2をアンモニア(NH3)へ変換し,NH3をH2キャリアとしてタンカーで国内へ輸送,NH3をH2に再変換し,燃焼等に利用する構想が提案されている.しかし,NH3からH2への分解・製造では,純粋なH2は製造されず,H2/N2混合ガスが副生される.化学式(2NH3→3H2+N2)に示すように,NH3はH2:N2 = 3:1のH2/N2混合ガス(オフガスと呼ぶ)に分解される.NH3からオフガスへの分解過程では残存NH3の発生が,オフガスからH2の精製過程ではN2の除去などが,複雑な工程と追加のエネルギーを必要とし効率が悪い.そこで,本研究ではNH3からH2への分解・製造時に発生するNH3/H2/N2混合ガスを直接燃焼利用するために,燃焼特性について明らかにした.結果として,以下の結論を得た. (1)XNH3/ XH2 = 1.0~1.63 の分解範囲内では,オフガス(NH3/H2/N2)はほぼ完全燃焼すると共に,割合の等しいNH3/H2 火炎と比較してNOxが抑制できる. (2)Fuel NOx >>Thermal NOx の関係が成立し,Fuel NOxは燃焼領域全体から生成し,Thermal NOx は(水素の選択燃焼に起因することにより)リム付近の外縁部から生成する. (3)オフガス(NH3/H2/N2)火炎では,NH3/H2 火炎と比較して,NH3 単位モル当たりの NOx 排出量が低い.これは,火炎温度の低下に伴うNOx 生成反応速度の減少に起因する.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大型シミュレーション投入への計算環境が整っている.(スーパーコンピューターの使用ができる.)加えて,予混合火炎を対象とするオフガスの燃焼実験がほぼ終了した.実験と数値計算により,NH3を使用した場合に発生する窒素酸化物(窒素原子Nを含む燃料)の排出特性を明らかにできているため.
|
今後の研究の推進方策 |
今後、以下の(1)~(2)の研究を推進する. (1)アンモニア専焼が可能な新バーナの開発に着手する. (2)更なる高負荷燃焼とNOxの同時低減,およびNH3/H2燃焼の低輻射特性の改善を炉内設計を含めて達成する.
|