研究課題/領域番号 |
19K04516
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 八戸工業大学 |
研究代表者 |
嶋脇 秀隆 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (80241587)
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研究分担者 |
村上 勝久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20403123)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 電子放出 / ナノ結晶シリコン / グラフェン / 電子放出素子 / 面放出型 / 面放射型 / 平面型 |
研究開始時の研究の概要 |
MOS(金属/酸化膜/半導体)構造からなる平面型電子放出素子は、真空中にホットエレクトロンを放出する電子源で、動作電圧が低い、ビーム指向性が良い、低真空動作可能など、従来の針状の電子放出素子にはない優れた特長を有している。しかしながら、電子取り出し効率(電子放出効率)が低いという欠点があり、デバイス実用化を妨げている。本研究では、効率の飛躍的な向上を実現するため、グラフェン/極薄酸化ナノ結晶シリコン膜/シリコン構造からなる平面型電子放出素子を開発して動作検証を行うと共に、電子放射機構を明らかにし、ホットエレクトロンの機能を活かした新たな電子ビーム応用への展開を目指すものである。
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研究成果の概要 |
電子放出効率が著しく低いという欠点を除けば、ほぼ理想的な微小電子源である金属/酸化膜/半導体積層構造の平面型電子放出素子の欠点を克服するため、電子散乱の少ないグラフェンと極薄酸化被覆されたナノ結晶シリコンを用いたグラフェン/ナノ結晶シリコン/シリコン構造の電子放出素子を開発した。動作実験の結果、上部電極にグラフェンを用いることでこれまでに電子放出効率4 %、放出電流密度6 A/cm2以上と大幅な特性向上を達成した。更に、10 kPa程度の低真空環境下でも安定して動作可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子透過性に優れたグラフェンとナノ結晶シリコンを用いた面放出型電子放出素子を提案し、従来型のMOS構造電子源の性能を向上させるとともに、低真空環境下においても安定して動作可能であることを実証した。この機能を活用した、真空以外の環境や真空が苦手な素材を扱う分野における電子ビームの新たな利用への展開が期待される。
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