研究課題/領域番号 |
19K04566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山川 優樹 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80324010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 送電鉄塔 / 電力インフラ / 耐災害性 / 損傷・修繕シミュレーション / 構造物の健全性評価 / 耐荷力 / 部材損傷 / 基礎不同変位 |
研究開始時の研究の概要 |
社会経済活動が安定的な電力供給に強く依存している現在,送電鉄塔は電力インフラの基盤施設であり,高い信頼性が求められる.しかし,地盤変状や強風に起因する送電鉄塔の損傷・崩壊事故が頻繁に発生している. この現状に鑑み,本研究では過酷な自然ハザード事象における過大荷重作用下での送電鉄塔の損傷・崩壊機構を解明し,耐災害性を評価する.さらに損傷後の部材交換などを模擬した修繕シミュレーション解析を行い,修繕による性能回復程度を定量的に明確化する. その結果に基づいて,災害後の点検業務に適用しうる健全性判定基準,ならびに修繕効果を定量保証した形で修繕方法の策定を支援する実用性の高い手法の構築を試みる.
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研究成果の概要 |
強風等の過大荷重による部材変形や,鉄塔周辺の地盤変状に起因する基礎の変位(脚部不同変位)により,送電鉄塔に損傷が生じる事例が確認されている.本研究では弾塑性有限要素解析により,こうした外的作用による鉄塔の損傷挙動と損傷後の耐荷力低下程度を評価した.さらに,損傷を受けた鉄塔について部材交換や脚部不同変位除去等の修繕を模擬した解析を行い,修繕による耐荷力の回復程度を評価した.その結果,損傷形態や修繕方法によって修繕効果に顕著な相違がみられることが確認された.このことから,効果的な修繕を行うためには,損傷形態に応じて適切な修繕方法を選択することの重要性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,強風荷重や脚部不同変位による鉄塔の損傷挙動と耐荷力低下について有限要素解析により評価した.さらに,損傷が生じた鉄塔に対して修繕を模擬した解析を行い,修繕による耐荷力回復程度の定量評価を試みた.その結果,修繕方法によって修繕効果に顕著な相違がみられ,損傷要因や損傷形態に応じて修繕方法を適切に選択することの必要性が示唆された.本研究により,修繕後の性能回復程度の定量評価が可能となった.この成果は,損傷要因や損傷形態に応じて合理的な修繕方法の選定を可能とするための基盤技術整備に寄与し,電力インフラの耐災害性向上と損傷後の迅速な復旧を行うための技術開発に貢献しうるものである.
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