研究課題/領域番号 |
19K04593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小林 薫 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (80443638)
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研究分担者 |
松丸 貴樹 公益財団法人鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 主任研究員 (00425927)
森井 俊廣 新潟大学, 自然科学系, フェロー (30231640)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | キャピラリーバリア / 貝殻 / 堤防 / 浸食 / 盛土 / 間隙結合パラメータ / 土壌パラメータ / 水分特性曲線 / 破砕貝殻 / 不飽和流れ / 異方透水性 / 短時間大雨 / 越流 / 侵食 / 飽和度 / 短時間強雨 / 安定性 / 洗堀・浸食 / 豪雨 / 斜面防災 / 不飽和土 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動により激甚化する災害への対応において、線状降水帯に伴う豪雨により発生し甚大な被害をもたらす土砂災害(盛土崩壊など)、水害(破堤など)への対応は緊急かつ必要性が更に高まっている。 本研究は、土構造物である盛土斜面の補強効果が期待できる扁平な破砕貝殻を用いた傾斜CB地盤における、異常豪雨時の特異な浸透・力学的特性を実験と解析の両面より定量的に解明した上で、扁平な破砕貝殻の配向性締固め特性を考慮した盛土構造物への適用性を検証し、豪雨時の斜面防災・減災の強化を目指し、持続可能な開発目標SDGs(目標13)の達成に貢献し、気候変動に適応した災害に強い安全・安心な社会を実現する。
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研究成果の概要 |
1)限られた実験条件、解析条件ではあるが、盛土斜面の浅層部に設けた破砕貝殻層によって、Ⅰ:CB地盤のブレークスルー後における破砕貝殻層の浸透水流下誘導機能およびⅡ:斜面上を流下する水に対する盛土斜面表層部の浸食抑制機能を発揮し、盛土の安定性に寄与することを明かにした。 2)土の粒径組成の特徴に応じて設定される土壌パラメータは、土の透水係数に基づいて概ね推定できることを明らかにした。 3)土中の不飽和浸透挙動を数値解析等で検討する場合に必要となる破砕貝殻の間隙結合パラメータは、計測データを基にHYDRUSを用いて同定し、再現解析と実験結果を比較した結果、同定した間隙結合パラメータの妥当性を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
記録的短時間大雨による堤防決壊等の災害激甚化に伴い、堤防などの土構造物の安全性確保及びその評価法の需要が高まっている。環境負荷低減にも寄与する堤防法面などの浅層部に敷設した破砕貝殻層は、降雨等浸透水の法尻側への流下誘導機能及び越流時の浸食抑制機能を発揮し,土構造物の安全性を格段に向上できることを見出した。加えて、堤防などの土構造物の安全性を数値計算等で評価・検討する場合に必要となる重要なパラメータ(間隙結合パラメータ Lと土壌パラメータα)の合理的な設定方法を提案した。以上から、防災・減災と環境を両立させる貝殻の活用技術により、気候危機時代における国民の生命と財産を守ることに大いに貢献する。
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