研究課題/領域番号 |
19K04600
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原 弘行 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00588709)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 土質安定処理 / セメント / 劣化抑制 / 水酸化マグネシウム / カルシウム溶出 / pH / 劣化 / Ca溶出 / 海水 / マグネシウム |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究課題では,まず,保護物質の生成に及ぼす改良対象土の土質や曝露条件の影響を解明するため,母材の粒度や固化材量が異なる処理土の劣化挙動と保護物質生成状況との関係を考察し,簡易な保護物質の生成評価指標を導出する.さらに,様々な環境条件下においても保護物質が劣化抑制機能を発揮するかを検討するため,透水・乾湿繰返し環境下での劣化挙動と保護物質の効果を実験的に調べる.得られた結果を精査し,現場の環境条件や改良対象土の土質等の情報から“沿岸域において固化処理土が劣化するかどうか”を判定できる実務に耐えうるレベルの簡易なチャート表を作成する.
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研究成果の概要 |
本研究では,海水環境下においてセメント処理土に発生する保護物質の生成条件等について検討し,以下のことを明らかにした.1) 保護物質はMgを含有する水溶液と接触するセメント処理土表面のpHが一定時間およそ10以上を維持できた場合に生成される.2) セメント処理土のpHと接触する水溶液のMg濃度から保護物質の生成を判定できる領域を示した.3) 保護物質の劣化抑制効果は乾湿繰返し条件下では維持されるが透水環境下では消失する.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セメントや石灰を土に添加する固化処理工法は,軟弱地盤対策として広く活用されている.しかし,セメント処理土は海水の化学的浸食によってその性質が劣化することが指摘されている.一方で,セメント処理土に白色の保護物質が生成される場合があり,これが生成されると劣化の進行が極端に遅延される.本研究では,未だ不明瞭であった保護物質の生成条件を解明し,さらにセメント処理土のpHと接触する海水のMgイオン濃度によって生成される領域を示すことができた.保護物質生成の有無は現場におけるセメント処理土の維持管理の要否を判定する重要な指標の一つとなり得る.
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